武蔵学園学園長の有馬朗人を訪問した。
有馬氏は第24代東大総長、文科大臣、科学技術庁長官などを歴任し、
日本の原子力行政をリードして来た方であり、原発事故収束に
向けて知見や再稼働を含めた原子力政策をどう捉えておられるのか
かねてよりご意見を伺ってみたいと思っていた。
原発事故収束対策PTの事務局次長でもある同僚議員の
平智之さんは、京大の機械工学出身で原子炉のタービンブレードを
設計していたという原発の専門家であり、ご同行をお願いした。
原発事故全般から廃炉までの工程や選択肢についての所見、
そして第4世代原発開発と世界のエネルギー動向など示唆に富んだ
お話をお伺いし、意見交換することができた。
母校の武蔵野高校から請われて武蔵学園長に就任されたとの事。
90年前から現存するという学び舎を感慨深げに案内され、
いつまでも見送ってくださった静かで温かな佇まいに、古き時代の
人格者をそのまま体現するかのような教育者の姿を見た思いがする。
ニューヨーク大学日米経営経済研究所所長や元全米経済研究所理事として、
数十年にわたり研究拠点をアメリカに置いて活動されている経済学者の
佐藤隆三氏のご仲介により、来日中のジョセフ・ナイ氏との知遇を得た。
ナイ教授の多忙なスケジュールを縫って、意見交換の機会に恵まれ、
円高対策やTPP問題、福島原発事故ならびに日米の原子力政策や
エネルギー問題、更には外交分野に至るまで、幅広い議論を交わすことができた。
昨年何度か訪米を計画したが、国会状況により頓挫しており、
ようやくナイ氏との面会が実現する運びとなった。
知的で温厚な人柄に敬意を抱き、来年のボストンでの再会を約束して
有意義なひと時を終えた。佐藤隆三先生のご厚意に心から感謝したい。
上記会合が藤村官房長官の下に設置され、私は「原発事故収束対策PT」
座長として、党側を代表するメンバーの一人として出席しました。
今後、福島原発事故の収束、原発事故の再発防止のための原子力安全対策の
見直し、核燃料サイクルを含む原子力システム改革、東電による原子力損害賠
償への支援、及び電気事業制度改革等について政府として一体的に推進する
ための議論を行っていくことになります。
この日の第一回目の会合では、枝野経産大臣より原子力損害賠償支援機構
及び東電による緊急特別事業計画認定の報告がありました。
原発再稼働問題を含む今後の日本のエネルギー政策や産業のあり方にも
関わる根幹テーマを扱うことになります。
昨年4月から原発PTで取り組んできた様々な議論や知見を生かし、
電力の安定供給と資源エネルギーの確保、国民に資する電力制度改革に
真摯に臨む所存です。
(出席者等は別紙PDF資料にて)
<議題>
1.チェルノブイリ視察報告 森ゆうこ文部科学副大臣
〇チェルノブイリ事故対策の経験を福島原発事故での子どもに関する対策に生かす
(詳細はPDF資料)
◆ホローシャ・チェルノブイリ立入禁止区域管理庁長官
・避難移住は線量率を基準にすべき。汚染の土壌密度で移住を決めると
相当に大規模な移住が必要になる。
・移住の基準については、生涯350msvを生涯70年間と仮定して年平均に
ならすと、5msvが一つの目安。事故当初の大量被ばく量をどこまで算入するか、どの期間で見るか。
◆ステパノワ・放射線医学研究センター教授
・事故による健康上の影響は、呼吸器系、消化器系、心臓血管系、免疫系等健康全般において認められている。
・子どもの健康状態と放射線との因果関係について、国際的なコンセン
サスが得られているのは甲状腺がんであるが、今も患者の発生が続く。当初の被ばく線量が過少評価された可能性。
◆コンディーエフ・医学アカデミー副総裁
・住民へのクリーンな食料の提供、食料を通した被ばく量の把握は極めて
重要。
・汚染地域では、放射線に加えて、ストレス、化学重金属汚染等複合的な
影響があり、汚染地域から避難した人と、避難せず汚染地域にとどまった
人のその後の追跡調査では、避難した人の方が死亡率が高かった。
・常に真実を住民に伝えることが基本であり、最も重要。
◆ナロージチ地区病院長ら地区関係者
・事故直後は、子どもたちには給食として3食とも地域外から調達した食料を与えた。
・子どもたちは年2回の長期休暇の際に、学校単位で保養地に送られた。
◆森ゆうこ副大臣のまとめと所見ポイント
・放射線に対する恐怖感がもたらす心理的影響や移住がもたらすストレスが
心身に与えるダメージの大きさを過少評価すべきでない。
・まず詳細な測定に基づいた汚染マップの作成と評価を行い、住民への公表と
十分な説明を行い、それに基づいた子どもの生活環境の除染を行う必要。
・それでもなお線量が十分に低減しない地域においては、より低い線量の地域に
学校を長期・短期に移って家族やコミュニティーでの生活を再建できるように
するなど、地域の実情にあわせた形での対応をとるべき。
2.参議院東日本大震災復興特別委員会スリーマイル島視察報告
米長 晴信 参議院東日本大震災復興特別委員会理事
(資料PDFはこちら)
〇スリーマイル島原子力発電所視察
・事故を起こした2号機のタービン建屋の機材は、除染してすでに撤去。
燃料棒は1990年取り出し、10年かかって既に取り外されているが
廃炉にはなっていない。
・現在も稼働している1号炉の契約は2034年まで残っており、その段階で
1号炉・2号炉ともに廃炉へ。
〇原子力規制委員会(NRC)視察
・原子力の規制と推進の両輪を担うピラミッド型組織。
トップは委員長を含む5人の委員(大統領が任命、任期5年)。
・人数は3992人(原子炉安全分野3023人、核物質・廃棄物安全分野911人)
毎年50人を入れ替え。(新卒、オペレーター、海軍の原潜OBなど)
・全米で104基のすべての原発に、NRC各2名が常駐して監視。
・エマージェンシー・オペレーション・センターには常に広報担当の専門家が
常駐し、情報発信を一元化。
3.食品中の放射性物質の新たな規制値の設定について
資料@リスクとリスク分分析の考え方【内閣府食品安全委員会】 (PDF)
資料A食品中の放射線物質の新たな規制値の設定について【厚労省】 (PDF)
【質疑・意見】
・子どもの放射線感受性は高い。国際基準はどうなっているという認識か?
海外ではICRPの勧告がこうなっているから、私たちはこうするという基準の
論拠がない。
ICRPの数十年の審議経過を理解せずに、ただの一部をかいつまんで持って
きているが、こういう行政が失敗の原因。
・私もそう思う。何で生涯100msvなのかの論理的説明がなく、いきなり数字だけ
が出てくる。阪大の野村教授は、世界で一番危険な職業とされる木こりとイコ
ールフィッティングすると生涯100msvと説明するが、その説明の方がまだ理解
しやすいと思う。(荒井座長)
・子どもの影響について具体的にどう配慮するかは検討課題になっている。
親御さんたちはまた不安になるし、大人と子どもがどう違うか一般の人が見たら
また混乱する。また今回は内部被曝だけにしているのは何故か?
内部被曝だけで100msvにするのでは、では外部被曝をどう捉えれば良いのか
逆に国民の皆さんは不安になるのではないか?
→これから本格的な検討をし、来年6月を目途に施行したいので、年内に厚労省としての最終案を示せるようにしたい。子どもに十分配慮した数字ではあるが、
それ以外にどう配慮できるか検討していく。
4.東電の特別事業計画について
資源エネルギー庁 電力・ガス事業部部長 糠谷 敏秀
【質疑・意見】
・徹底した合理化策とあるが、役員報酬カットは当たり前だが現場の雇用をきっちりと守るよう政府として指導監督が不可欠。
→希望退職が肩たたきにならないようか注視する。国民負担との整合性を考え、最大限どういう合理化ができるか政府としてきっちり見ていく。
・今回の緊急特別事業計画で1兆円弱の融資を申請するが、これにかかる
特別負担金・一般負担金は内部で吸収して負担できるものか?電気料金との関係は?
→特別負担金は電気料金の原価に算定しない。一般負担金は算定できるが、
そのためには主務大臣の認可が必要。枝野大臣の下に有識者会議を作って
総括原価方式の見直しを行っているが、今回に関してすぐに電気料金の
値上げはない。
※政府は11/4に東電・原子力損害賠償支援機構による「緊急特別事業計画」
を認定した。
(資料は経産省HP上にて公開)
http://www.meti.go.jp/press/2011/11/20111104002/20111104002.html
〇荒井座長挨拶
国民から信頼を取り戻すためのわかりやすい説明が求められている。
国会議員ですらわからないということは、説明に失敗している。
被災地の地方の議員に、「この説明でわかりますか?」という観点で
物事を進めて欲しい。
〇荒井座長挨拶
福島県民200万人を対象とした長期の健康・疫学調査は、史上初の試みであり、
今日はその調査状況がどうなっているかについてのヒアリング。
2点目の議題は、国会に原発事故調査委員会を設置することになったが、
政府の方の事故調の話が全く伝わってこないので現状の説明を求めたい。
≪議題≫
1.福島県民の健康調査状況と体制について
原子力被災者支援チーム医療班課長 福島 端正
〇原子力被災者・子ども健康基金 962億円(H23年度二次補正予算)
・全県民を対象とした放射線影響の推定調査
線量把握のための基本調査(3/11以降の行動記録、自記式質問票)
⇒現在発送中、対象は全県民202万人
・避難住民等を対象とした中長期的な健康調査の実施
・18歳以下の子ども(約36万人)を対象とした継続的な甲状腺超音波検査の実施
※県外避難者含む
・ホールボディカウンター等の整備など検査体制の強化
・実施主体は福島県
(詳細はPDF資料にて)
【質疑・意見等】
・結果についてどこまで公開するのか?
⇒一義的には県の判断だが、個人が特定されないかたちでできるだけ公表し、
県の発表後、我々でも分析をしたいと考えている。
・自主避難者への対応、フォローは?
⇒当時県内に住んでいた方は対象。実施方法は県外でも受けられるように検討中。
・調査用紙の雛形は見せてもらえないのか?
⇒県のHP上で公開中。
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=764F9AB75525DB848B93C38923549B07?
DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24287
・行動調査票がすでに16万通郵送されて、私のところにも送られてきたが、
東電の賠償マニュアルと同じ。国会議員なのでスケジュール等については
比較的細かなメモが残っている方だと思うが、私は書けない。
半年以上も前の詳細な行動を書けということに、けしからんという批判が
圧倒的に多い。(福島県選出議員)
・母乳についての調査は個人的に調べてくれというのが行政の対応だが、
不安で仕方ないお母さんたちもいるので、あわせて調査して欲しい。
⇒県としても希望があることは承知している。相談していきたい。
2.東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会の状況報告
事故調査・検証委員会 事務局長 小川 新二
(詳細はPDF資料)
・第3回事故調査・検証委員会 畑村委員長記者会見
・東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会の調査状況
・委員会名簿・体制についての資料
〇説明要旨
・12/26開催予定の第6回委員会で中間報告の取りまとめ
・ヒアリング対象、内容は非公開〜現時点で約300人のヒアリング終了
・委員会の下に、社会システム等検証チーム・事故原因等調査チーム、
被害拡大防止対策等検証チームを設置し、委員10名、技術顧問2名、
事務局(役人33名、専門家8名)で構成。メンバーはいずれもHP上で公開。
→http://icanps.go.jp/about/
【質疑・意見等】
・これからの原子力安全庁のあり方についてPTで検討されるのか?
⇒当然議論する。細野大臣からも説明の要請がある。(荒井座長)
・時系列の再構成は私も最も重要だと思うが、その際に福島第二原発や
女川原発との比較検討、リスク判断やマネジメントレベル、自治体や事
業者側のレディネス(準備ができていること)、安定ヨウ素剤の問題、
またどういう人々にヒアリングをするのか。もっと広範囲な視点での調査を。
スルーマイル事故調査報告書に比べて、ヒアリング300人とはもの凄く
少ない。政府として恥ずかしくないよう、聞くべき人にはきちんと聞くよう
お願いしたい。
⇒政治家を対象とするヒアリングはもう少し先になる。
・事故を起こした福島第一原発の旧式マークT型原子炉の設計変更について
の経緯や調査はしているか?
⇒調査項目としての頭出しはしているが、古い話なので当時の関係者や
技術者を探さなければならない。時間や人手も限られているので、できれば
調査対象としたいと考えている。
・地震発生から津波到達までの間に、何が起きてどういう対応を取ったのかが
重要ではないか?IAEAに提出した政府報告書には、原因を津波と指摘しなが
らも、地震の影響についても調査すべきと記載してある。東電は津波で決め打ち
しているが、もっと問題意識を広げた調査をすべきではないか。
・海外の人たちのニーズが応えられるような最終報告にしなければならない。
中間報告後、各国からのオーダーに応える手続き的なものは検討しているか?
⇒重要な在外公館からもヒアリングを検討している。指摘があれば早くに
レスポンスをお返しし、中間まとめの英訳も早期にHPに公表する。
〇川内事務局長
原子力村の体質が、事故原因の大きな1つとなった。事故調が取り込まれない
よう、そして歴史の評価に耐えうるような事故調査報告書であるよう期待する。
野田政権発足とともに一度リセットされた原発PTですが、
『原発事故収束対策PT』と改名し再スタートをきりました。引き続き、私が座長の任にあたります。
海江田万里前経産省を顧問にむかえ、副座長には馬淵澄夫前原発担当
補佐官も加わりました。川内博史事務局長のもと、パワーアップした布陣で
結束して被災者支援に全力を尽します。
当面の検討課題は、史上初めて国会に設置する原発事故調査委員会を
与党としてサポートすること、迅速な除染や賠償を進めること、
また原子力安全庁設置にともなう原子力安全規制のあり方、
内部被曝と食品安全規制値等についてと山積しています。
活動を休止していた約2か月間のブランクを取り戻すべく、
本日第一回総会を開催しました。
≪議題≫
1.役員構成について・・・別紙のとおり承認 (PDF)
2.国会に東京電力福島原子力発電所事故調査委員会設置の経緯について
〇松野頼久 衆議院議院運営委員会筆頭理事より報告
憲政史上の中で、国会が自らの調査機関を置くのは初めてのこと。
国会は行政のチェック機関であり、本法案成立に至るまで当PTでも長い間
議論・検討を進めてきた。荒井座長と自民党の塩崎議員で法案をとりまとめ、
前臨時国会で制定され、両院の国会に調査委員会を置くたてつけになっている。
両院の議運から衆参同数のメンバーで両院協議会を設置し、中立性担保のため
両院協議会の下に委員会を置く。私は議運筆頭理事 兼 当PT副座長として
国会とこのPTのつなぎ役を務める。
責任追及が目的ではなく、多くの資料公開を原則としあくまで原因究明が目的。
法律の施行日が「次期臨時国会を開催して10日目」と規定されているので、
今月末には施行し、11月中頃までには委員会発足、半年間で報告書をとりまとめて
国会に提出する流れ。
委員の人選が非常に大きな役割であり、PTの意見も踏まえて進めたい。
⇒人選について意見があれば、荒井座長・川内事務局長まで。
最終的には、松野議運筆頭理事、荒井座長、川内事務局長一任を了承。
3.第三次補正予算について 【財務省ヒアリング】
〇藤田財務副大臣より冒頭ご挨拶
三次補正は本日閣議決定され、28日国会提出へ。現地視察にも訪れたが、
原発収束は国際社会に対する日本のクレディビリティそのものである。
省庁間を超えた戦略的・包括的な除染を行う必要があり、与党側の受け皿と
して本PTの重要性を認識している。
〇第三次補正予算全体のフレームと、とりわけ原発関連予算について
財務省主計局よりヒアリング
【原発予算の概要】
・除染対策費 2,460億円程度
・放射線治療に関する国際的な医療センターの整備 690億円程度
・国による(損害賠償の)仮払い金の支払い 260億円程度
・・・・・等
予算がもう少し固まった時点で、改めて説明を求める。
4.原発事故収束に関する最近の状況について
【担当政務三役】
〇細野 豪志 原発事故の収束及び再発防止担当大臣・環境大臣
〇奥村 展三 文部科学副大臣
〇柳沢 光美 経済産業大臣政務官
〇高山 智司 環境大臣政務官
(参考資料)・・・PDFはこちらから
・東電福島原発の事故収束について
・避難区域等の見直しについて
・除染・廃棄物処理について
・原子力安全規制に関する組織見直しについて
・原子力政策大綱の検討について
・安全審査指針、原子力防災指針の見直しについて
(文科省説明資料)・・・PDFはこちらから
・原発事故収束に関する最近の状況について
【質疑・意見等】 議題が多く、質疑時間は限られていたため若干名
・参議院会派で富岡町を訪れた。被災地の人たちから「本当に除染できると
思っているのか?私たちはこ こには住めないと思っている。正直なところ土地
の買い上げを」という声を聞いた。行政関係者が買い上げてくれとは中々言え
ないが、この段になって本当に除染を進めていくべきか、国として買い取りの
オプションの検討を始めるべき時期ではないか?
⇒ご指摘はよく理解している。8月初めにPTが一次報告書で買い取り提案を
したことに対して強烈な反応あり、関係自治体に平謝りをした。
当面の国としての説明は、まずは除染することでどのぐらい減衰するかを
示すことが最優先であり、それほど時間をかけずに除染のモデル事業の
結果が出るのを待ちたい。
・「冷温停止」と「冷温停止状態」の違いについて説明を。
⇒当初から「冷温停止状態」と説明を申し上げてきた。正常な炉なら、
100度以下で安全だが、福島第一原発は単に100度以下で安全とは
言えず、付加的な条件が必要。保安院、原子力安全委員会、東電の
専門家同士の議論の上で、「〜状態」という表現で統一している。
〇川内事務局長より
多岐にわたる論点があり、今後とこにフォーカスしていくかは執行部に
一任をお願いしたい。細野大臣をはじめ政府をサポートしていく提言を
続けたい。
石原信雄元内閣官房副長官、公明党の佐藤茂樹衆議院議員らと
ともに総理官邸を訪れました。
野田総理に航空政策の提言書を持参し、日中戦略対話など
安全保障問題についても意見具申を致しました。
本日はお越しになれませんでしたが、自民党の河村建夫先生の
肝入りもあって、本年2月に超党派国会議員と有識者・産業界関係者による
「航空産業政策に関するラウンドテーブル」を開催しました。
その際には、領域横断的な議論が交わされ、航空システムに関する
総合的なビジョンと推進本部が必要であるという認識を共有するに
至りました。
本日はその成果物である提言書を野田総理にお渡しし、
今後、国家戦略相のもとに設置される「国家戦略会議」において
宇宙・海洋分野のみならず航空についても検討を進めて頂きたい旨を
要請しました。
石原元官房副長官からは、昨年の尖閣事件の際に、中国側との民間外交
ルートであるセカンドトラック(日中戦略対話)が果たした機能や役割について、
また中国の次世代リーダーの背景などについてお話があり、
超党派で日本版NSCを再構築しなければならないと提言がありました。
野田総理は「基本的にはその方向で考え方を同じくしている。
ただ、当面の課題は震災復興でありますので、あまり手を広げすぎないよう
にとも思っています」と熱心に耳を傾けて下さいました。
臨時議員会を開催。
人事について諮り、下記のとおり承認されました。
〇民主党北海道議員会 会長
ならびに
〇党・北海道ブロック常任幹事
小川 勝也 参議院議員
政府・与党ともに体制一新ですが、
民主党北海道も新たな顔ぶれで年末に向けた来年度予算要求、
税制改正要望等、結束して活動して参ります。
〇「東京電力に関する経営・財務調査委員会」での検討状況についてヒアリング
説明:西山圭太 東京電力に関する経営・財務調査委員会事務局長
※配布資料、説明内容等については、党PT公式HP上にて、徳永エリ議員の
文責による詳細なレポートが掲出されていますのでご参照願います。
http://www.dpj-genpatsu-pt.com/pt34.html#pt
また、経営・財務調査委員会の開催状況や議事概要は下記で公開されています。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/
【要旨】
・連結ベースで東電グループ10兆円の資産査定を行い、当面10年の東電の経営の
あり方について9月中下旬までに報告書をとりまとめる。
・流動性の高い有価証券など、短期にキャッシュ化して賠償に充当すべき資産と、
残した方が中長期間の賠償に資する資産という観点から賠償の仕組みを考える。
人件費や設備投資・燃料調達費などの資本集約型の経営を見直し、高コスト構造
の改善策を提示するとともに、中長期的な国民負担低減を目指す。
・報告書は原子力損害賠償支援機構に引き継がれることを前提とする。
資金援助の前提として、支援機構に対して特別事業計画を提出することになる
ため、その審査や計画の共同作成に必要となる基礎審査をすることがこの委員会
のもう1つの大きな論点。
【質疑・議論内容】
・委員の選択基準について、とりわけ2名の民間会社の経営者(JR東海、DOWA)が
妥当な人選であるのか。電力契約の割引率、株式の保有関係を開示して頂きたい。
→専門性等の視点から専任された理解しているが、委員の選任後しばらくしてから
事務局長に就任したため、関与していない。回答については委員会に諮る。
・理念でなく、実際のバランスシートや保有資産など具体的な検討資料の提出をお願い
したい。
→報告書提出前に、個別情報を出すことはできないが、委員会に諮った上で報告書
を出す際には必要な情報も開示する方向。
・特別事業計画や、賠償実施への担保をどう確保するか。東電だけでなく電力制度の
あり方を考えるしっかりした議論をお願いしたい。
・資料4に、売却有価証券等4か月で5,000億円以上、不動産1000億円とあるが、
全体の資産額は?
→5000億円は有価証券と事業の合計額で、有価証券は上場分だけなら2000億円超。
不動産全体では発電所の敷地等も含めて概算で1兆円。
・この委員会は、株式会社の経営に影響力を持つことになるが、法律的、商法上の
位置づけは?
→委員会報告書そのものは直接の法的拘束力はなく、支援機構に引き継いでいく。
東電として、株主も含めて機構に支援申請をして、融資の受け入れることになる。
・含み資産や財界との経費、総括原価方式と地域独占が含み資産を生んでいる。
議論ができるように資料の開示をお願いする。
・この委員会タスクフォースは9月末まででクローズという理解でよいのか?
支援機構の事務局との関係は?
→9月末でタスクフォースは終了する。内閣府にできた機構準備室の事務局とは
一部併任・兼務がかかっており、成果を引き継いでいくかたちで連携する。
〇汚染マップの作成状況及び今後の対応について
【冒頭挨拶】
◇荒井PT座長
:本日の衆院本会議において、当PTでも田島議員を中心になって押し上げた
放射性がれき処理法案が可決した。皆様に御礼申し上げたい。
今後もひとつひとつ地道に政策を積み上げていけるよう引き続きご協力を
お願いしたい。
◇大島内閣部会長
:詳細な汚染マップがまだできていない事に愕然としているので、本日この合同
部会を開いて頂いた。しっかりと作って、どこの地域にどれだけの量の放射能
汚染があり、今後どのような除染対策を打つかというマニュアルがあって然る
べきだ。
〇説明
1)文部科学省 林久美子政務官 ならびに科学技術・学術政策局
配布資料
@文部科学省及び栃木県による航空機モニタリングの測定結果について
A放射線量等分布マップについて
※@、Aは報道発表資料
B放射性物質による環境影響への対策基盤の確立「放射性物質の分布
状況等に関する研究調査」(科学技術戦略推進費)進捗状況御説明資料
(PDF)
C緊急時避難準備区域の解除に向けた放射線モニタリングアクションプランの
測定結果について(PDF)
2)内閣府 園田康博政務官 ならびに原子力被災者生活支援チーム
配布資料
・避難区域等の見直しに関する考え方
⇒8月26日、原子力災害対策本部において、前述資料をより具体化した、
「除染に関する緊急実施基本方針」が決定されました。
関連資料の一式は、経産省HP上で公開されています。
http://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110826001/20110826001.html
【議論内容】
・(2qメッシュで空間線量の測定を中心に行っているが)、モニタリングの目的を
きちんと指示していうのか?目的によって測り方が違ってくるのではないか。
・災害対策本部としてモニタリングは済んでいるという理解でいいのか?
→今後除染をしっかり行うという観点からモニタリングを進めている。
今週中には除染の対策室が立ち上がり、加えて現地対策室としての除染チームを
環境省を中心に立ち上げる準備中。緊急時避難準備区域では今後校庭の裏や
雨どいなど相当細かくモニタリングする。
・基準があるかを知りたい。汚染マップが出来たら傾向と対策を講じることになるが、
科学的な根拠に基づいてやっているか。このレベルの地域では子どもは逃がそうと
いった計画をやっているか。
→対策本部としての基準はない。学校においては年間200日で1ミリシーベルト以下を
目指して除染するが、基準を持たねばならないという意識でいる。
・2qメッシュの信ぴょう性が本当にあるのか?実際に線量を下げるためには除染
するしかないのであれば、小さなメッシュで区切って空間線量ではなく土壌のモニタリングを
すべき。走行サーベイは道路を走りながら測定するが、道路は森林や草があるところ
よりは線量が低い。ストロンチウムやその他の核種の方が健康被害は深刻。
ヨウ素とセシウムのみでは、健康被害に対する危惧を反映していないのではないか。
・ICRPのレポートには、年間1〜20ミリシーベルトのうち低い方向にとはっきり書いてある。
20ミリシーベルト以下であれば、大人でも乳幼児でも同じで構わないということでいいのか。
その見解や基準を政府に示してほしい。皆さん方は見解を述べるにとどまっているが
もっと付加価値を持った仕事を期待したい。
もう半年も経つのに、いつまでも事故発生当時と同じ見解を繰り返すだけでいいのか。
原子力安全委員会の5人も委員もその対応でいいのか。
・避難区域等の見直しに関する考え方をまとめたかというバックデータ、
つまりICRPのどのパブリケーションや指針を使っているか等の情報提出をお願いしたい。
(→同日中に資料提供があり、事務局を通じて全議員宛てに配布しました。
本資料も、以下に掲出されています)
http://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110826001/20110826001.html
(別添)今後の避難解除、復興に向けた放射線防護に関する基本的な考え方について
【座長として】
文科省も原子力安全委員会も、被災者が何を望んでいるのかを考えて仕事をして
欲しい。確かに各種モニタリングのデータは、各省がそれぞれ公表しているが、
この表をみて被災者が逃げた方がいいのか、どこまで除染しないといけないのか
判断できる人は、専門家でもない限りほとんどいない。
内閣府が、被災者の視線に立ったわかりやすい対応をしなければ、マップを作った
ことにも対策をしたことにもならない。
〇規制行政のあり方について
説明:細野豪志 原発事故収束及び再発防止担当大臣
前回の第31回総会に引き続き、
「原子力安全規制に関する組織の見直しの進め方について」
骨格
1.原子力安全・保安院の分離
2.新組織への原子力安全委員会の統合
3.原子炉に係る安全規制の統合
4.事故発生時の対応体制の強化、核セキュリティ
5.環境モニタリングの司令塔機能の体制整備
【前回議論からの変更点】
・新組織は、環境省にその外局として原子力安全庁(仮称)を設置する。
・政府事故調査委員会の結果については、両院に提出する。
【質疑応答・意見】
・マニフェストにも安全規制は3条委員会と明記してある。環境省の外局と
いうのは官僚的な骨抜きではないか?環境省におくか、内閣府におくかが
本質ではなく、客観的・中立的・科学的なダブルチェックができなかったことが
原因。
⇒3条委員会も8条委員会も検討したが、委員による合議制で危機管理は
できないという結論に達した。委員長が指揮権と人事権を行使できない
組織形態ではリスクに即応できない。
・3条委員会ではなく今の提案のかたちが良い。海外の様々な危機管理の
仕組みは、行政官庁になっていて、権限と命令系統を明らかにしている。
・現状の体制の中で危機管理ができたかどうか検証しなければならない。
原子力安全委員会の委員は、国会同意人事だが、強い身分保障が
されており、刑事事件や病気以外の理由で辞める必要がない。
政治の側が期限をきって強いミッションと明確な指示を与え、ミッションを
遂行できなければ辞める仕組みへ。組織を作れば問題が解決するのでは
なく、組織に魂を込めれば機能する。
【座長として発言】
・細野大臣から十分説明があった。私などは事故調の結果が出ていない中で
規制行政について議論するのは拙速だと思っていた。
しかし、これまで規制と推進官庁が一緒にあるのはおかしい、政治の不作為で
あると指摘を受けてきたことに対して、9月のIAEAの国際会議で日本政府として
の方針を示すことが求められている。
ほかにも、CSC等原子力損害賠償の国際条約に不参加であることなど
問題は山積しており、1つずつ改めていくしかないのではないか。
細野さんが苦労してまとめたこの提案は、現状では妥当ではないか。
今後の進め方は、政府が当PTとも密接に関与しながら実質議論を進めて
いくこととし、この方針を基軸としながら私と中塚事務局長に一任をお願いしたい。
⇒一任で了承。
なお、本提案は8/12に閣議決定されました。
詳細な資料はこちらから
http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/kakugi_110815.html
〇「福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質による汚染への対処に関する特別措置法案」について
説明:田島一成 PT幹事/環境部会長
【前回議論からの変更点等】
・法案のなかでPENDINGが2箇所あり、1つは国の責務について加筆修正中。
もう1つは除染等の措置の部分で、先日のPT総会での地元自治体からの
ヒアリングや意見を経て、高濃度と低濃度の地域を分けて規定することになった。
・財政措置については、いまだ結論を得られていないが、総務省は自治体の
要望を受けて国が全額負担することを求めており、財務省は財政状況的に
大変厳しいので東電への求償を求めている。
・明日朝、もう一度与野党協議を経て、お盆明けの25日に環境委員長提案で
法案を提出し、同日の衆院本会議で採決させたい。
【PTとして一任了承】
・本来はもっと早い段階で政府が連休前にも法案提出しているべき問題であり、
環境省を説得し、超党派による議員立法でここまでこぎつけた田島議員の
尽力と努力に敬意を表して、満場拍手で承認。
※その後の経過としては、8/26の参院本会議にて共産党を除く各党の賛成多数で成立
私が委員長を務める衆議院内閣委員会で、女川原発を視察した。
女川原発は津波への備えとして堤防が他原発に比べて高く設定されており、
1メートル差で津波被害を免れることができた。そのいきさつを聞いてみると、
設計段階で当時の東北電力の取締役が津波に対する防御を強く主張し、
堤防をかさ上げさせたという話であった。もともと海水により冷却をする原発の
システム設計においては、原発はなるべく海抜から低いところにある方が有利
にも関わらず、敢えて堤防をかさ上げしたその方の見識に敬意を表する。
検視は警察のもっとも大切な仕事のひとつである。宮城県警では、歯型により
亡くなった被災者の身元特定を行っているシステムを見せていただいたが、警
察官はもとより歯型を取るボランティアの歯医者さんに感謝の念をささげたい。
女川原発への道中、牡鹿半島の集落が数多く流されている現場は、極めて悲惨であった。
一面の津波被害のなか、津波を免れた女川原発では、発災後すぐに避難所として
被災者を受け入れた。
備蓄食糧は原発で働く人たちの2日分しかなかったことを顧みずに、
被災者のケアにあたった現場の人々の労苦と英断に衷心からの敬意を表したい。
〇規制行政のあり方について
説明:細野豪志 原発事故収束及び再発防止担当大臣
・原発事故の収束に向けての議論の中で、安全規制のあり方については
ずっと意識してきたところであり、できるだけ早くたたき台だけは出したいと
この1カ月は作成作業にあたってきた。
皆さんのご意見も頂いた上で政府の正式決定にこぎつけたい。
【原子力安全規制に関する組織の見直しの進め方】
*試案の骨子
・原子力安全・保安院の経済産業省からの分離
・新組織への原子力安全委員会の統合(環境省か内閣府におく2案)
・原子炉等に係る安全規制の統合〜試験研究用原子炉/船舶用原子炉
・事故発生時の対応体制の強化、核セキュリティ
・環境モニタリングの司令塔機能の体制整備
・来年4月に新組織設置することを目途とし、早急に準備室の立ち上げ
【質疑・意見】
・新組織の形態として、強い第三者性と客観性を確保するためには省の外局で
ある「庁」ではなく、公正取引委員会等の3条委員会形式の方が良いのでは
ないか。
・ある時はインフルエンザ対策、ある時は口蹄疫のように危機管理の恒久組織に
して、コントロールタワーと実働部隊は別にすべき。そして、まずはこの原子力
安全の分野で、5〜10年後に専門家が枯渇しないように同時並行で人材を
育てる必要がある。
・本当なら、政権交代したときに橋本行革の負の遺産を総括し、統治機構のあり方を
再構築するための議論が必要だった。原子力安全庁を単に内閣府や環境省の
外局にぶら下げるかではなく、省庁再編を含め見直しを。
〇時間の都合で、資料配布のみ
:東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の
範囲の判定等に関する中間指針
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/houkoku/1309452.htm
〇座長挨拶
・今日、原子力損害賠償支援機構法が参院で通って成立し、ようやく原子力被害者への
本格的な賠償が行われることになった。
当PTも発足から3か月間、熱心な議論を積み重ねてきたが本日の30回総会を記念して、
議論の経過をふり返り、今後の課題を整理してまとめる意味で、中間報告を出したい。
〇中塚事務局長より
・昨日の拡大政調役員会で了承されたので、本日PT総会に諮りたいとし、
第一次報告を読み上げながら説明を行った。
〇質疑・議論の概要
・国による土地の「収容」という表現について、様々な意見や異論もあった。
しかしこの問題に関して国がきちんとした方針を示せないことで対応が進んで
いないことも事実であり、内閣ができないのであれば与党が覚悟を持ってここまで
踏み込んだのは勇気のあること。被災者はむしろ本当のことをはっきりして欲しいという
時期に来ている。
・自主避難者や我慢して避難できずにいる人たちもいる。安心させるようなシステムや
何らかの支援を講じて欲しい。
・子どもや女性、妊産婦に配慮したあたたかい表現をお願いしたい。
・30回に亘るこの間の議事録は貴重な資料になる、危機管理上は、事前にどの程度
準備ができていたか、どの段階でどんな議論をしていたかというプリパレーションが
すべて。今後もこのPTの中でみなさんの良い知恵をお借りしていきたい。
〇中塚事務局長より
ご意見を踏まえて、表現ぶりや補足など、若干直せるところは修正する。
今後の議論を踏まえて、早期に2次報告、3次報告と出していくので
今回この第1次報告への了承をお願いしたいと説明し、承認された。
⇒報告書本体はこちらから(PDF)
〇総会終了後、引き続き記者会見を行いました。
1)田島環境部会長より、放射性がれき処理の議員立法骨格について
2)中塚事務局長より、「第1次報告」の説明
3)質疑応答
最後に、司会を務めた徳永エリ参議院議員よりメディアの皆さんに
お願いを致しました。
当PTでは、公式HPを立ち上げて議論内容や配布資料についても
公開できるものはすべてPDFにして公開しています。
ぜひ国会議員がどんな活動をしているかの情報源にして頂きたいし、
このHPのことも報道で取り上げて欲しいと熱を込めて語りました。
公式HPはこちらから
http://www.dpj-genpatsu-pt.com/
放射能を帯びたガレキ処理が残された最大の課題のひとつとなっており、 未だ法体系が整備されていない。 環境部会長であり、当PTの幹事でもある田島一成議員が中心となって、 議員立法による特措法の準備を迅速に進めているところであり、 本日はその法案骨子説明のため環境部会との合同開催。
〇災害廃棄物の処理に関する特措法に関する与野党協議の状況について
説明:後藤 斎 復興特別委員会理事
協議中事項として、主体と補助率の問題が中心であり、その他の点について
できるだけ趣旨を尊重しながら附帯決議で進めていく方向。
修正協議の細かな報告は、荒井PT座長、田島環境部会座長への一任としたい
と説明があり、了承された。
〇福島第一原発事故による放出された放射性物質による汚染の対処に関する
特別措置法(仮)について
説明:田島 一成 原発事故影響対策PT幹事、環境部会長
・概要は先日のPTでも説明したので、今回は骨子案を初めてご提案し、
出席議員の皆さんからご意見・ご要望を頂く機会としたい。
また本日は地域住民の命を預かる首長のみなさんにもお越し頂いているので、
生の声を聞かせていただき立法過程にしっかりと反映させていきたい。
法案概要はこちらから(PDF)
【座長より発言】
・責任主体や財源措置、法の立てつけに関する様々なご意見、要望を頂いた。
意見はあるだろうが、各省折衝でやっていたらとても調整が間に合わないので
田島議員にご尽力をお願いして議員立法で進めたい。
非常に困難な問題でありどの省庁もしり込みする中で、環境省が引き受けて
くれるところまで田島さんが本当に骨を折って引っ張ってきてくれた。
体系は、原賠法の中で考えていくしかない。また損害賠償支援スキームの中で
国も支援することができる。細部については一任いただけると有難いと発言し、
野党交渉も含めて、田島・荒井両座長への一任が了承されました。
〇放射性廃棄物に係る対策について、福島県及び県内市町村よりヒアリング
・内堀雅雄 福島県副知事
・原 正夫 郡山市長
・佐藤正博 西郷村長
当PTの公式HP上に、稲富修二議員の文責による詳細なレポートが掲出されて
いますので、そちらをご覧下さい。
http://www.dpj-genpatsu-pt.com/pt29.html
【議論の中から】
・危機管理の専門家である首藤信彦議員より質問と指摘があった。
もし原子力事故があった場合に、肝心なことは事前にどれだけの準備が
されていたかという"プリペアードネス"である。
避難場所、経路、ヨウ素剤の配布などなど、事前の避難計画やマニュアルの有無
またマニュアルに沿った避難訓練はなされていたのかどうか。
福島第一原発鎮静化の方向は確実に進んでいるが、まだ災害が終わった訳では
ない。(大規模余震などの)災害が起こった時にどう対応するかについて、
現場の皆さんがどう対応すると考えておられるか、今後に活かしていきたい。
・内堀副知事より、防災訓練は年に1〜2度、電源喪失と若干の放射性物質漏れを
想定し、8〜10キロ圏の住民と自治体関係者で行っているが、今回の事故ははるかに
その想定を超えている。EPZのエリア設定の失敗を深刻に受け止めている。
オフサイトセンターには、毎時500マイクロシーベルトの放射線で、5日しかいられ
なかった。反省と総括を次に活かしていくことが大切だと考えていると率直なご発言が
ありました。
・最後に座長として、本日お越しいただいた御礼ならびに御苦労・御心痛をお察し
しますと発言し、初めて遭遇する大災害で国の対応が遅れていることに私からも
お詫びを申し上げました。
この議員立法についても、皆さんが御心配される費用や最終処理などの細部に
ついてはこれからですが、現場のみなさんのご希望が叶えられるよう与党として
最大限頑張っていきたいので、細部の立案や運用の際のご協力をお願いして
締めの挨拶と致しました。
「ホットスポットの形成について」ヒアリング
〇大原 利眞氏 国立環境研究所・地域環境研究センター長
・放射性物質の大気シュミレーションとホットスポット形成に関して
〇三上 正男氏 気象庁 気象研究所環境・応用気象研究部部長
・米国大気研究センターの気象モデルを用いた微量物質の拡散解析モデル
〇永井 晴康氏 日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門
環境動態研究グループリーダー
・福島第一原発事故へのWSPEEDI−Uの適用
※配布資料、説明内容等については、党PT公式HP上にて、
徳永エリ議員の文責による詳細なレポートが掲出されていますので
ご参照願います。
http://www.dpj-genpatsu-pt.com/pt28.html
【議論内容】
・それぞれ国の補助金を受けた各研究機関において、大気中への放射性
物質拡散のシュミレーション研究が行われれていたにも関わらず、政府か
らの情報提供依頼や研究成果の活用が十分だったとは言い難い。
・一定の拡散傾向が既に震災1週間後にはシュミレーションされていたにも
関わらず、なぜ対策に使われなかったのか。
改めて縦割り行政の弊害や、同趣旨の研究であっても学会発表をメインとし
互いに連携できない研究機関の在り方が問われる。
・世の中に対してもわかりやすい合同の報告書をまとめる考えはないかという
質問に対しては、3研究所からオールジャパン体制で最終的にまとめる努力を
したいと示された。
・天気予報のように、気象庁に対して今後、放射能拡散予報を要望する意見
が出された。
【座長として】
汚染の拡散実態について政府の対策本部や文科省、内閣府も詳細には把握
しておらず、細野大臣の掲げるオールジャパン体制にはなっていないので
PTとして緊急提言してほしいとの提案がなされた。
このPTが発足して3か月が経ち、私自身も同様に感じている。
膨大な議論を積み上げ、政府に対しても随分と物も申してきた方だが、
現場と最も近い与党議員の持つ情報や知恵を政府にもっと反映させるために、
細野大臣や被災者支援チームの松下副大臣に対して、関係会議に常時与党側から
オブザーバー出席できる体制構築を申し入れ、了承を受けたことを報告した。
○・原子力損害賠償支援機構法案(政府提出)
・平成23年原子力事故による被害に係る緊急措置法案(自・公・み・たちあがれ・改革)
【両案に係る、民自公修正協議報告について】
報告者:後藤 斎 議員
修正協議のポイントとして、「国の責任」の明記や、所管大臣を文部科学大臣に限定せずに
主務大臣とすること、また経理等の状況を踏まえた見直し条項を設ける等について説明が
ありました。修正協議が大詰めにきている中での総会であったため、資料は議員本人のみに
配布マスコミには非公開で行われました。
後藤議員からの報告後、中塚事務局長より「法案提出が遅れ、修正時間が限られた中で
大変なご尽力を頂いている。(修正)提案に大幅な変更はない。今後の(大きな論点については)
臨時国会なりの議論を経て修正していくということで、本日のところはPT一任ということで宜しいでしょうか」
と提案し、了承されました。
○事実と虚構の境界 −統計(モニタリング調査)でウソをつくいろいろな手口を中心に−
講師:谷岡 一郎氏 (大阪商業大学学長)
今後福島県民の健康調査を中心に各種疫学調査や、モニタリング調査が行われることになっていますが、
日本における統計調査の専門家は非常に少ないのが現状です。
一度、統計学、統計調査の基本について専門家よりお話を聞いておきたいという趣旨で、
本日の講演が実現しました。当PT事務局次長でもある谷岡郁子参議院議員のご実弟でもあります。
1)なぜ人によって言うことが異なるのか
2)「事実」の共通認識に何が必要か
・データ公開
・「ディベート」のルールつくり
・リサーチ・リテラシー
3)原発と疫学
・コントロール・グループ
・統計ソフトのワナ
・プラシーボ・イフェクト
チャート、新聞報道例、社会風刺の4コマ漫画など、具体例を多用しながらの解説でしたが、
疫学調査とは条件が変わればノイズが入るため、究極的にはリサーチ・リテラシー(統計調査
を読み解く力を養い、マスメディア情報の質を評価できるようになる力)の教育しかないという
のが講演の要でした。
私からは、失敗の原因調査や被害を受けた人々の心理的調査の方法について質問し、
「(失敗原因など)過去のことについて聞くと必ず理由付けはできる。データを集める前に、
ちゃんとした社会科学者を集めて調査の方法論について検証をしておくこと。すなわち
データの取り方など、この調査方法で良いかを事前に専門家に諮ることです」との回答。
明快かつ興味深いお話を伺いました。
○福島第一原発事故により発生した放射性物質による汚染の対応と対策に
関する特別措置法(仮称)について
原発事故影響対策PT幹事 田島 一成 議員
【説明の要旨】
○牛肉等の安全性確保と畜産農家等の被害救済に関する緊急提言について
農水部会長 佐々木 隆博 議員
先日のPTで、セシウム汚染牛に関する全頭検査・出荷停止分の全量買い上げ等について
政府に早急な対策を求める緊急提言を行うことで合意が得られた。
農水部会が中心となってまとめた素案について、政調承認のもとに民主党全体として
政府に緊急提言することについて、佐々木議員より報告があり、当PTとしても一任了承した。
→22日官邸に提出された緊急提言(PDF)
○原子力損害賠償紛争審査会中間とりまとめの進捗状況について
文科省 林久美子政務官
および原子力損害賠償対策室
【説明の要旨】
東京で毎年恒例の「荒井さとし政経セミナー」を開催しました。
平日の昼間にも関わらず、御席が足りなくなる程のご出席を賜りまして、
改めて関係各位に深く御礼申し上げます。
本年は、北朝鮮の核や拉致問題の交渉にあたられた藪中三十二・前外務次官を
講師としてお招きし、『国際情勢と日本外交』というテーマで幅広くアジアを中心とする
世界情勢の分析をお聞かせ頂きました。
続く荒井代議士とのショート対談は、今後の日本のエネルギー政策・資源外交について
世界の地殻変動にどう対応するかという切り口での議論となりました。
軽食による懇親の部では、荒井の顧問弁護士でもある吉峯啓晴氏より祝辞をいただき、
実弟である荒井敏夫・照美ご夫妻より花束が贈られ、終始なごやかなムードで
盛会裏に終了しました。誠にありがとうございました。
○セシウム汚染牛について
筒井信隆・農水副大臣および農水省の今井生産局長より
セシウム汚染牛の発生原因と経緯、対策状況の報告と説明を
受けました。
説明内容と配布資料については、当PT公式HP上にて
徳永エリ参議院議員の文責による詳細なレポートが掲出されておりますので
そちらをご覧ください。
http://www.dpj-genpatsu-pt.com/pt25.html#pt
原発事故発生直後、農水省は「屋外に置いていた飼料は与えない」
「原発事故以前に刈り取った飼料を与える」という通達を県を通じて市町村に
出してはいたものの、各農家にまで徹底されているかという確認作業を怠っていました。
出席議員からは、飼料を原因とするBSE問題や口蹄疫の対応でかなりの事例が
あった筈なのに、農水省の危機管理体制はどうなっているのかという指摘がありました。
宮城から高濃度に汚染された稲わらが流通したことが発端となっていますが、
高濃度のセシウムが福島第一原発より100〜120kmも離れた
宮城県まで飛散していたということになると、これまでのモニタリングの数値は実際は全然違うの
ではないかという疑問が出現します。避難区域等の設定の前提にもかかわる大問題です。
汚染値の基礎データについては、厚労省が発表しています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001ko25.html
風評被害も拡大しており、A5クラスの最高級和牛のキロあたりの出荷金額が
3割も落ちているという深刻な事例報告とともに、安心・安全の徹底のため全頭検査と
全戸検査を求める意見が相次ぎました。
通達を出したら結果をフォローするのが当然なのに何もしていなかったことが
明白になりました。牧草だけでなく出荷直前に稲わらを食べさせる習慣が一部の
畜産農家であることを考慮し、稲わらの汚染対策も講じてしかるべきでした。
責任は責任として、まずは具体的な対応策を早急に手当てし、
党としても農水省としても一刻も早く方針を示すべきです。
【私より座長報告】
○役員構成の変更
・山口壮議員の内閣府副大臣転出に伴い、後任事務局長を中塚一宏衆議に変更
・放射性廃棄物(がれき等)処理の法制化準備のため、党政調環境部会座長の
田島一成衆議をヘッドとするワーキングチームをPT内に構成する。
田島議員は当PTの副座長を兼務する。
以上はPT役員会、総会において了承。(役員構成PDF)
○公式HP立ち上げの報告
・広報メディア担当の米長晴信・徳永エリ・稲富修二議員らを中心に、公式HPが発足。
http://www.dpj-genpatsu-pt.com/index.html
議員の文責による署名記事を随時更新しており、積極的な参加を協力をお願いしました。
【議案:ストレステストを参考にした安全評価の導入等について】
冒頭に松下忠洋副大臣より「3.11以降深刻な事態の収束に向かって
全力で取り組んで参った。7/17に第一ステップ終了という目標を達成して、
目処をつけたい。プラントの収束が第一であり、党の皆様の支援やサポートに
御礼申げたい」とご挨拶。
○原子力安全・保安院
1.「我が国原子力発電所の安全性の確認について(ストレステストを参考にした
安全評価の導入等)」
http://www.kantei.go.jp/saigai/pdf/20110711anzensei_kakunin.pdf
2.「EUにおけるストレステストの概要」
○内閣府原子力安全委員会
1.「福島第一原子力発電所における事故を踏まえた季節の発電用原子炉施設の
安全性に関する総合的評価の実施について」
≪意見・質疑等≫
・ヨーロッパのストレステストでは、何をチェックするかを明確にした上で、まずは事業者に
よるチェックの後、ピアレビュー。7人ずつのチームメンバーの中にはEUを代表するコミッショナーや、
ヨーロッパ安全協議会のメンバーなど相互調整の連絡員などが含まれインターナショナルに
構成される。客観的、透明かつ国際的にも平準化された手法。
また「地震・津波などの自然災害に限らない」とはっきりと書いてあり、
サーバーアタックやテロ攻撃、大規模火災、飛行機事故、停電、冷却機能の喪失、
そしてヒューマンファクターに起因して安全文化の実行や作業員の防護といった観点も含まれる。
日本がストレステストをやるなら、地震津波に限るのではなく国際的かつ透明性あるものに
しなければならないが、何故似て非なるものに変わったのか。
・テストの具体的な内容・手続きについて明確な回答は得られず。
では、いつまでに検討を終えるのかという質問にも期日は示されなかった。
・内閣府原子力安全委員会が、「原子力委員会及び原子力安全委員会設置法第25条」に
基づき、保安院に対してストレステストの総合的な評価方法及び実施計画を作成して、報告する
ことを求めるという国内手続きに疑問を呈する指摘があがった。
なぜ内閣総理大臣からの諮問という法的手続きを取らずに、細野大臣のいかなる権限に基づく
要請であるのか。法的な手続きに基づかない「安全確認」は責任が明確でない。
日本は法治国家であり、選挙で選ばれた立法府が再稼動のルールに関わらないという手法は
民主主義としても問題がある。
○最後に座長として以下の趣旨で発言。
大事ないくつかの質問や問題提起がなされたが、政府側は十分に答えられていない。
ストレステストという言葉自体も先週から急にはじまって、十分な理解や実証がされている
とは言えない。統治機構がないがしろにされかねない重大な問題であり、
法的根拠を形づくる作業についても当PTとしても検証を続けたい。
今回の事故で、調査委員会が発足したのはわずか1ヶ月ほど前のこと。
スリーマイル事故では2週間後に事故調が設置され、約3〜4ヶ月で事故のプロセスは
見えていた。米ケムニー委員会はおよそ100億の予算を投じて100メートルの本棚が
いっぱいになるほどのヒアリング調査や資料を集め、仔細な報告書を作成した。
福島原発では事故から3ヶ月もたってからようやく調査委員会が発足し、予算はたったの2億。
どうして近接した福島第二原発ではメルトダウンに至らずに凌げたのか、津波のエレベーション
による差という説明は本当にそうなのか。地震による影響はなかったと断言できるのか。
またマークT型の古い原子炉には設計ミスはなかったのか、適切な改修は施されていたか。
電源のあり方に問題があったのではないか。
事故の究明とプロセスの解明を本気でやる用意のある事故調査委員会なのかどうか。
そして事故の根源的な問いに対する答えが何も明らかになっていないままに、
東電の経営財務状況を調査するデューデリ委員会に10億もの予算がついているが、
これは逆ではないか。
衆議院で審議入りした賠償支援機構法案の修正が終わったら、
今後の原子力政策、エネルギー政策、がれき等の放射性廃棄物処理のための法改正など
当PTでの今後の検討に期待して、引き続き積極的に参加をしていただきたい。