2011/11/10 有馬朗人氏を訪ねて武蔵学園へ

武蔵学園学園長の有馬朗人を訪問した。
有馬氏は第24代東大総長、文科大臣、科学技術庁長官などを歴任し、 日本の原子力行政をリードして来た方であり、原発事故収束に 向けて知見や再稼働を含めた原子力政策をどう捉えておられるのか かねてよりご意見を伺ってみたいと思っていた。

原発事故収束対策PTの事務局次長でもある同僚議員の 平智之さんは、京大の機械工学出身で原子炉のタービンブレードを 設計していたという原発の専門家であり、ご同行をお願いした。

原発事故全般から廃炉までの工程や選択肢についての所見、 そして第4世代原発開発と世界のエネルギー動向など示唆に富んだ お話をお伺いし、意見交換することができた。

母校の武蔵野高校から請われて武蔵学園長に就任されたとの事。 90年前から現存するという学び舎を感慨深げに案内され、 いつまでも見送ってくださった静かで温かな佇まいに、古き時代の 人格者をそのまま体現するかのような教育者の姿を見た思いがする。


2011/11/6 知日派のジョセフ・ナイ米ハーバード大教授と意見交換

ニューヨーク大学日米経営経済研究所所長や元全米経済研究所理事として、 数十年にわたり研究拠点をアメリカに置いて活動されている経済学者の 佐藤隆三氏のご仲介により、来日中のジョセフ・ナイ氏との知遇を得た。

ナイ教授の多忙なスケジュールを縫って、意見交換の機会に恵まれ、 円高対策やTPP問題、福島原発事故ならびに日米の原子力政策や エネルギー問題、更には外交分野に至るまで、幅広い議論を交わすことができた。

昨年何度か訪米を計画したが、国会状況により頓挫しており、 ようやくナイ氏との面会が実現する運びとなった。 知的で温厚な人柄に敬意を抱き、来年のボストンでの再会を約束して 有意義なひと時を終えた。佐藤隆三先生のご厚意に心から感謝したい。


2011/11/4 『電力改革及び東京電力に関する閣僚会合』のメンバーに

上記会合が藤村官房長官の下に設置され、私は「原発事故収束対策PT」 座長として、党側を代表するメンバーの一人として出席しました。

今後、福島原発事故の収束、原発事故の再発防止のための原子力安全対策の 見直し、核燃料サイクルを含む原子力システム改革、東電による原子力損害賠 償への支援、及び電気事業制度改革等について政府として一体的に推進する ための議論を行っていくことになります。

この日の第一回目の会合では、枝野経産大臣より原子力損害賠償支援機構 及び東電による緊急特別事業計画認定の報告がありました。

原発再稼働問題を含む今後の日本のエネルギー政策や産業のあり方にも 関わる根幹テーマを扱うことになります。
昨年4月から原発PTで取り組んできた様々な議論や知見を生かし、 電力の安定供給と資源エネルギーの確保、国民に資する電力制度改革に 真摯に臨む所存です。

(出席者等は別紙PDF資料にて


2011/11/2 第3回原発事故収束対策PT総会

<議題>
1.チェルノブイリ視察報告  森ゆうこ文部科学副大臣
〇チェルノブイリ事故対策の経験を福島原発事故での子どもに関する対策に生かす
 (詳細はPDF資料
◆ホローシャ・チェルノブイリ立入禁止区域管理庁長官
・避難移住は線量率を基準にすべき。汚染の土壌密度で移住を決めると 相当に大規模な移住が必要になる。
・移住の基準については、生涯350msvを生涯70年間と仮定して年平均に ならすと、5msvが一つの目安。事故当初の大量被ばく量をどこまで算入するか、どの期間で見るか。

◆ステパノワ・放射線医学研究センター教授
・事故による健康上の影響は、呼吸器系、消化器系、心臓血管系、免疫系等健康全般において認められている。
・子どもの健康状態と放射線との因果関係について、国際的なコンセン サスが得られているのは甲状腺がんであるが、今も患者の発生が続く。当初の被ばく線量が過少評価された可能性。

◆コンディーエフ・医学アカデミー副総裁
・住民へのクリーンな食料の提供、食料を通した被ばく量の把握は極めて 重要。
・汚染地域では、放射線に加えて、ストレス、化学重金属汚染等複合的な 影響があり、汚染地域から避難した人と、避難せず汚染地域にとどまった 人のその後の追跡調査では、避難した人の方が死亡率が高かった。
・常に真実を住民に伝えることが基本であり、最も重要。


◆ナロージチ地区病院長ら地区関係者
・事故直後は、子どもたちには給食として3食とも地域外から調達した食料を与えた。
・子どもたちは年2回の長期休暇の際に、学校単位で保養地に送られた。

◆森ゆうこ副大臣のまとめと所見ポイント
・放射線に対する恐怖感がもたらす心理的影響や移住がもたらすストレスが 心身に与えるダメージの大きさを過少評価すべきでない。

・まず詳細な測定に基づいた汚染マップの作成と評価を行い、住民への公表と 十分な説明を行い、それに基づいた子どもの生活環境の除染を行う必要。

・それでもなお線量が十分に低減しない地域においては、より低い線量の地域に 学校を長期・短期に移って家族やコミュニティーでの生活を再建できるように するなど、地域の実情にあわせた形での対応をとるべき。

2.参議院東日本大震災復興特別委員会スリーマイル島視察報告
 米長 晴信 参議院東日本大震災復興特別委員会理事
 (資料PDFはこちら

〇スリーマイル島原子力発電所視察
・事故を起こした2号機のタービン建屋の機材は、除染してすでに撤去。
 燃料棒は1990年取り出し、10年かかって既に取り外されているが 廃炉にはなっていない。
・現在も稼働している1号炉の契約は2034年まで残っており、その段階で 1号炉・2号炉ともに廃炉へ。

〇原子力規制委員会(NRC)視察
・原子力の規制と推進の両輪を担うピラミッド型組織。
 トップは委員長を含む5人の委員(大統領が任命、任期5年)。
・人数は3992人(原子炉安全分野3023人、核物質・廃棄物安全分野911人)
 毎年50人を入れ替え。(新卒、オペレーター、海軍の原潜OBなど)
・全米で104基のすべての原発に、NRC各2名が常駐して監視。
・エマージェンシー・オペレーション・センターには常に広報担当の専門家が 常駐し、情報発信を一元化。

3.食品中の放射性物質の新たな規制値の設定について
 資料@リスクとリスク分分析の考え方【内閣府食品安全委員会】 (PDF
 資料A食品中の放射線物質の新たな規制値の設定について【厚労省】 (PDF

 【質疑・意見】
・子どもの放射線感受性は高い。国際基準はどうなっているという認識か?
 海外ではICRPの勧告がこうなっているから、私たちはこうするという基準の 論拠がない。
 ICRPの数十年の審議経過を理解せずに、ただの一部をかいつまんで持って きているが、こういう行政が失敗の原因。

・私もそう思う。何で生涯100msvなのかの論理的説明がなく、いきなり数字だけ が出てくる。阪大の野村教授は、世界で一番危険な職業とされる木こりとイコ ールフィッティングすると生涯100msvと説明するが、その説明の方がまだ理解 しやすいと思う。(荒井座長)

・子どもの影響について具体的にどう配慮するかは検討課題になっている。
 親御さんたちはまた不安になるし、大人と子どもがどう違うか一般の人が見たら また混乱する。また今回は内部被曝だけにしているのは何故か?
内部被曝だけで100msvにするのでは、では外部被曝をどう捉えれば良いのか 逆に国民の皆さんは不安になるのではないか?

→これから本格的な検討をし、来年6月を目途に施行したいので、年内に厚労省としての最終案を示せるようにしたい。子どもに十分配慮した数字ではあるが、 それ以外にどう配慮できるか検討していく。

4.東電の特別事業計画について
 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部部長  糠谷 敏秀

 【質疑・意見】
・徹底した合理化策とあるが、役員報酬カットは当たり前だが現場の雇用をきっちりと守るよう政府として指導監督が不可欠。
→希望退職が肩たたきにならないようか注視する。国民負担との整合性を考え、最大限どういう合理化ができるか政府としてきっちり見ていく。

・今回の緊急特別事業計画で1兆円弱の融資を申請するが、これにかかる 特別負担金・一般負担金は内部で吸収して負担できるものか?電気料金との関係は?
→特別負担金は電気料金の原価に算定しない。一般負担金は算定できるが、 そのためには主務大臣の認可が必要。枝野大臣の下に有識者会議を作って 総括原価方式の見直しを行っているが、今回に関してすぐに電気料金の 値上げはない。

※政府は11/4に東電・原子力損害賠償支援機構による「緊急特別事業計画」 を認定した。
   (資料は経産省HP上にて公開)
 http://www.meti.go.jp/press/2011/11/20111104002/20111104002.html

〇荒井座長挨拶
 国民から信頼を取り戻すためのわかりやすい説明が求められている。
 国会議員ですらわからないということは、説明に失敗している。
 被災地の地方の議員に、「この説明でわかりますか?」という観点で 物事を進めて欲しい。


2011/10/26 第2回原発事故収束対策PT総会

〇荒井座長挨拶
 福島県民200万人を対象とした長期の健康・疫学調査は、史上初の試みであり、 今日はその調査状況がどうなっているかについてのヒアリング。
 2点目の議題は、国会に原発事故調査委員会を設置することになったが、 政府の方の事故調の話が全く伝わってこないので現状の説明を求めたい。

 
≪議題≫
1.福島県民の健康調査状況と体制について
原子力被災者支援チーム医療班課長 福島 端正

 
〇原子力被災者・子ども健康基金 962億円(H23年度二次補正予算)
・全県民を対象とした放射線影響の推定調査
線量把握のための基本調査(3/11以降の行動記録、自記式質問票)
⇒現在発送中、対象は全県民202万人

・避難住民等を対象とした中長期的な健康調査の実施
・18歳以下の子ども(約36万人)を対象とした継続的な甲状腺超音波検査の実施
※県外避難者含む
・ホールボディカウンター等の整備など検査体制の強化
・実施主体は福島県

詳細はPDF資料にて

【質疑・意見等】
・結果についてどこまで公開するのか?
⇒一義的には県の判断だが、個人が特定されないかたちでできるだけ公表し、 県の発表後、我々でも分析をしたいと考えている。

・自主避難者への対応、フォローは?
⇒当時県内に住んでいた方は対象。実施方法は県外でも受けられるように検討中。

・調査用紙の雛形は見せてもらえないのか?
⇒県のHP上で公開中。
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=764F9AB75525DB848B93C38923549B07? DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24287

・行動調査票がすでに16万通郵送されて、私のところにも送られてきたが、 東電の賠償マニュアルと同じ。国会議員なのでスケジュール等については 比較的細かなメモが残っている方だと思うが、私は書けない。
半年以上も前の詳細な行動を書けということに、けしからんという批判が 圧倒的に多い。(福島県選出議員)

・母乳についての調査は個人的に調べてくれというのが行政の対応だが、 不安で仕方ないお母さんたちもいるので、あわせて調査して欲しい。
⇒県としても希望があることは承知している。相談していきたい。

2.東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会の状況報告
 事故調査・検証委員会 事務局長 小川 新二 

 
詳細はPDF資料
・第3回事故調査・検証委員会 畑村委員長記者会見
・東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会の調査状況
・委員会名簿・体制についての資料

〇説明要旨
・12/26開催予定の第6回委員会で中間報告の取りまとめ
・ヒアリング対象、内容は非公開〜現時点で約300人のヒアリング終了
・委員会の下に、社会システム等検証チーム・事故原因等調査チーム、 被害拡大防止対策等検証チームを設置し、委員10名、技術顧問2名、 事務局(役人33名、専門家8名)で構成。メンバーはいずれもHP上で公開。
http://icanps.go.jp/about/

【質疑・意見等】
・これからの原子力安全庁のあり方についてPTで検討されるのか?
⇒当然議論する。細野大臣からも説明の要請がある。(荒井座長)

・時系列の再構成は私も最も重要だと思うが、その際に福島第二原発や 女川原発との比較検討、リスク判断やマネジメントレベル、自治体や事 業者側のレディネス(準備ができていること)、安定ヨウ素剤の問題、 またどういう人々にヒアリングをするのか。もっと広範囲な視点での調査を。
スルーマイル事故調査報告書に比べて、ヒアリング300人とはもの凄く 少ない。政府として恥ずかしくないよう、聞くべき人にはきちんと聞くよう お願いしたい。
⇒政治家を対象とするヒアリングはもう少し先になる。

・事故を起こした福島第一原発の旧式マークT型原子炉の設計変更について の経緯や調査はしているか?
⇒調査項目としての頭出しはしているが、古い話なので当時の関係者や 技術者を探さなければならない。時間や人手も限られているので、できれば 調査対象としたいと考えている。

・地震発生から津波到達までの間に、何が起きてどういう対応を取ったのかが 重要ではないか?IAEAに提出した政府報告書には、原因を津波と指摘しなが らも、地震の影響についても調査すべきと記載してある。東電は津波で決め打ち しているが、もっと問題意識を広げた調査をすべきではないか。

・海外の人たちのニーズが応えられるような最終報告にしなければならない。 中間報告後、各国からのオーダーに応える手続き的なものは検討しているか?
⇒重要な在外公館からもヒアリングを検討している。指摘があれば早くに レスポンスをお返しし、中間まとめの英訳も早期にHPに公表する。

〇川内事務局長
 原子力村の体質が、事故原因の大きな1つとなった。事故調が取り込まれない よう、そして歴史の評価に耐えうるような事故調査報告書であるよう期待する。


2011/10/21 原発PTが再始動〜第1回総会

野田政権発足とともに一度リセットされた原発PTですが、 『原発事故収束対策PT』と改名し再スタートをきりました。引き続き、私が座長の任にあたります。

海江田万里前経産省を顧問にむかえ、副座長には馬淵澄夫前原発担当 補佐官も加わりました。川内博史事務局長のもと、パワーアップした布陣で 結束して被災者支援に全力を尽します。

当面の検討課題は、史上初めて国会に設置する原発事故調査委員会を 与党としてサポートすること、迅速な除染や賠償を進めること、 また原子力安全庁設置にともなう原子力安全規制のあり方、 内部被曝と食品安全規制値等についてと山積しています。
活動を休止していた約2か月間のブランクを取り戻すべく、 本日第一回総会を開催しました。

≪議題≫
1.役員構成について・・・別紙のとおり承認 (PDF

2.国会に東京電力福島原子力発電所事故調査委員会設置の経緯について
〇松野頼久 衆議院議院運営委員会筆頭理事より報告
 憲政史上の中で、国会が自らの調査機関を置くのは初めてのこと。
国会は行政のチェック機関であり、本法案成立に至るまで当PTでも長い間 議論・検討を進めてきた。荒井座長と自民党の塩崎議員で法案をとりまとめ、 前臨時国会で制定され、両院の国会に調査委員会を置くたてつけになっている。
 両院の議運から衆参同数のメンバーで両院協議会を設置し、中立性担保のため 両院協議会の下に委員会を置く。私は議運筆頭理事 兼 当PT副座長として 国会とこのPTのつなぎ役を務める。
責任追及が目的ではなく、多くの資料公開を原則としあくまで原因究明が目的。 法律の施行日が「次期臨時国会を開催して10日目」と規定されているので、 今月末には施行し、11月中頃までには委員会発足、半年間で報告書をとりまとめて 国会に提出する流れ。
 委員の人選が非常に大きな役割であり、PTの意見も踏まえて進めたい。

⇒人選について意見があれば、荒井座長・川内事務局長まで。
 最終的には、松野議運筆頭理事、荒井座長、川内事務局長一任を了承。

3.第三次補正予算について 【財務省ヒアリング】
〇藤田財務副大臣より冒頭ご挨拶
 三次補正は本日閣議決定され、28日国会提出へ。現地視察にも訪れたが、 原発収束は国際社会に対する日本のクレディビリティそのものである。
省庁間を超えた戦略的・包括的な除染を行う必要があり、与党側の受け皿と して本PTの重要性を認識している。

〇第三次補正予算全体のフレームと、とりわけ原発関連予算について 財務省主計局よりヒアリング 【原発予算の概要】
 ・除染対策費 2,460億円程度
 ・放射線治療に関する国際的な医療センターの整備 690億円程度
 ・国による(損害賠償の)仮払い金の支払い 260億円程度
                                      ・・・・・等
予算がもう少し固まった時点で、改めて説明を求める。

4.原発事故収束に関する最近の状況について
【担当政務三役】
 〇細野 豪志 原発事故の収束及び再発防止担当大臣・環境大臣
 〇奥村 展三 文部科学副大臣
 〇柳沢 光美 経済産業大臣政務官
 〇高山 智司 環境大臣政務官

(参考資料)・・・PDFはこちらから
 ・東電福島原発の事故収束について
 ・避難区域等の見直しについて
 ・除染・廃棄物処理について
 ・原子力安全規制に関する組織見直しについて
 ・原子力政策大綱の検討について
 ・安全審査指針、原子力防災指針の見直しについて

 (文科省説明資料)・・・PDFはこちらから
 ・原発事故収束に関する最近の状況について

【質疑・意見等】 議題が多く、質疑時間は限られていたため若干名
 ・参議院会派で富岡町を訪れた。被災地の人たちから「本当に除染できると 思っているのか?私たちはこ こには住めないと思っている。正直なところ土地 の買い上げを」という声を聞いた。行政関係者が買い上げてくれとは中々言え ないが、この段になって本当に除染を進めていくべきか、国として買い取りの オプションの検討を始めるべき時期ではないか?

  ⇒ご指摘はよく理解している。8月初めにPTが一次報告書で買い取り提案を したことに対して強烈な反応あり、関係自治体に平謝りをした。
 当面の国としての説明は、まずは除染することでどのぐらい減衰するかを 示すことが最優先であり、それほど時間をかけずに除染のモデル事業の 結果が出るのを待ちたい。

 ・「冷温停止」と「冷温停止状態」の違いについて説明を。
 ⇒当初から「冷温停止状態」と説明を申し上げてきた。正常な炉なら、 100度以下で安全だが、福島第一原発は単に100度以下で安全とは 言えず、付加的な条件が必要。保安院、原子力安全委員会、東電の 専門家同士の議論の上で、「〜状態」という表現で統一している。

 〇川内事務局長より
 多岐にわたる論点があり、今後とこにフォーカスしていくかは執行部に 一任をお願いしたい。細野大臣をはじめ政府をサポートしていく提言を 続けたい。


2011/10/7 野田総理に航空政策のご提言

石原信雄元内閣官房副長官、公明党の佐藤茂樹衆議院議員らと ともに総理官邸を訪れました。
野田総理に航空政策の提言書を持参し、日中戦略対話など 安全保障問題についても意見具申を致しました。
 

 
本日はお越しになれませんでしたが、自民党の河村建夫先生の 肝入りもあって、本年2月に超党派国会議員と有識者・産業界関係者による 「航空産業政策に関するラウンドテーブル」を開催しました。

その際には、領域横断的な議論が交わされ、航空システムに関する 総合的なビジョンと推進本部が必要であるという認識を共有するに 至りました。 本日はその成果物である提言書を野田総理にお渡しし、 今後、国家戦略相のもとに設置される「国家戦略会議」において 宇宙・海洋分野のみならず航空についても検討を進めて頂きたい旨を 要請しました。

石原元官房副長官からは、昨年の尖閣事件の際に、中国側との民間外交 ルートであるセカンドトラック(日中戦略対話)が果たした機能や役割について、 また中国の次世代リーダーの背景などについてお話があり、 超党派で日本版NSCを再構築しなければならないと提言がありました。
 


 
野田総理は「基本的にはその方向で考え方を同じくしている。
ただ、当面の課題は震災復興でありますので、あまり手を広げすぎないよう にとも思っています」と熱心に耳を傾けて下さいました。


2011/9/29 民主党北海道議員会開催

臨時議員会を開催。
人事について諮り、下記のとおり承認されました。

〇民主党北海道議員会 会長 
ならびに
〇党・北海道ブロック常任幹事

小川 勝也 参議院議員


 
政府・与党ともに体制一新ですが、 民主党北海道も新たな顔ぶれで年末に向けた来年度予算要求、 税制改正要望等、結束して活動して参ります。


2011/9/1 第34回原発事故影響対策PT

〇「東京電力に関する経営・財務調査委員会」での検討状況についてヒアリング
  説明:西山圭太 東京電力に関する経営・財務調査委員会事務局長

※配布資料、説明内容等については、党PT公式HP上にて、徳永エリ議員の 文責による詳細なレポートが掲出されていますのでご参照願います。
 http://www.dpj-genpatsu-pt.com/pt34.html#pt

 また、経営・財務調査委員会の開催状況や議事概要は下記で公開されています。
 http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keieizaimutyousa/
 
 
【要旨】
・連結ベースで東電グループ10兆円の資産査定を行い、当面10年の東電の経営の あり方について9月中下旬までに報告書をとりまとめる。

・流動性の高い有価証券など、短期にキャッシュ化して賠償に充当すべき資産と、 残した方が中長期間の賠償に資する資産という観点から賠償の仕組みを考える。 人件費や設備投資・燃料調達費などの資本集約型の経営を見直し、高コスト構造 の改善策を提示するとともに、中長期的な国民負担低減を目指す。

・報告書は原子力損害賠償支援機構に引き継がれることを前提とする。 資金援助の前提として、支援機構に対して特別事業計画を提出することになる ため、その審査や計画の共同作成に必要となる基礎審査をすることがこの委員会 のもう1つの大きな論点。
 
 
【質疑・議論内容】
・委員の選択基準について、とりわけ2名の民間会社の経営者(JR東海、DOWA)が 妥当な人選であるのか。電力契約の割引率、株式の保有関係を開示して頂きたい。
→専門性等の視点から専任された理解しているが、委員の選任後しばらくしてから  事務局長に就任したため、関与していない。回答については委員会に諮る。

・理念でなく、実際のバランスシートや保有資産など具体的な検討資料の提出をお願い したい。
→報告書提出前に、個別情報を出すことはできないが、委員会に諮った上で報告書 を出す際には必要な情報も開示する方向。

・特別事業計画や、賠償実施への担保をどう確保するか。東電だけでなく電力制度の あり方を考えるしっかりした議論をお願いしたい。

・資料4に、売却有価証券等4か月で5,000億円以上、不動産1000億円とあるが、 全体の資産額は?
→5000億円は有価証券と事業の合計額で、有価証券は上場分だけなら2000億円超。
  不動産全体では発電所の敷地等も含めて概算で1兆円。

・この委員会は、株式会社の経営に影響力を持つことになるが、法律的、商法上の 位置づけは?
→委員会報告書そのものは直接の法的拘束力はなく、支援機構に引き継いでいく。
 東電として、株主も含めて機構に支援申請をして、融資の受け入れることになる。

・含み資産や財界との経費、総括原価方式と地域独占が含み資産を生んでいる。
 議論ができるように資料の開示をお願いする。

・この委員会タスクフォースは9月末まででクローズという理解でよいのか?  支援機構の事務局との関係は?
→9月末でタスクフォースは終了する。内閣府にできた機構準備室の事務局とは 一部併任・兼務がかかっており、成果を引き継いでいくかたちで連携する。

  


2011/8/23 第33回原発事故影響対策PT総会・内閣部門合同会議

〇汚染マップの作成状況及び今後の対応について
【冒頭挨拶】
◇荒井PT座長
:本日の衆院本会議において、当PTでも田島議員を中心になって押し上げた 放射性がれき処理法案が可決した。皆様に御礼申し上げたい。 今後もひとつひとつ地道に政策を積み上げていけるよう引き続きご協力を お願いしたい。

◇大島内閣部会長
:詳細な汚染マップがまだできていない事に愕然としているので、本日この合同 部会を開いて頂いた。しっかりと作って、どこの地域にどれだけの量の放射能 汚染があり、今後どのような除染対策を打つかというマニュアルがあって然る べきだ。

〇説明
1)文部科学省 林久美子政務官 ならびに科学技術・学術政策局
配布資料
@文部科学省及び栃木県による航空機モニタリングの測定結果について
A放射線量等分布マップについて
※@、Aは報道発表資料
B放射性物質による環境影響への対策基盤の確立「放射性物質の分布 状況等に関する研究調査」(科学技術戦略推進費)進捗状況御説明資料 (PDF)
C緊急時避難準備区域の解除に向けた放射線モニタリングアクションプランの 測定結果について(PDF

2)内閣府 園田康博政務官 ならびに原子力被災者生活支援チーム
配布資料
・避難区域等の見直しに関する考え方
⇒8月26日、原子力災害対策本部において、前述資料をより具体化した、 「除染に関する緊急実施基本方針」が決定されました。
関連資料の一式は、経産省HP上で公開されています。
http://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110826001/20110826001.html
 
 
【議論内容】
・(2qメッシュで空間線量の測定を中心に行っているが)、モニタリングの目的を きちんと指示していうのか?目的によって測り方が違ってくるのではないか。

・災害対策本部としてモニタリングは済んでいるという理解でいいのか?

→今後除染をしっかり行うという観点からモニタリングを進めている。 今週中には除染の対策室が立ち上がり、加えて現地対策室としての除染チームを 環境省を中心に立ち上げる準備中。緊急時避難準備区域では今後校庭の裏や 雨どいなど相当細かくモニタリングする。

・基準があるかを知りたい。汚染マップが出来たら傾向と対策を講じることになるが、 科学的な根拠に基づいてやっているか。このレベルの地域では子どもは逃がそうと いった計画をやっているか。

→対策本部としての基準はない。学校においては年間200日で1ミリシーベルト以下を 目指して除染するが、基準を持たねばならないという意識でいる。

・2qメッシュの信ぴょう性が本当にあるのか?実際に線量を下げるためには除染 するしかないのであれば、小さなメッシュで区切って空間線量ではなく土壌のモニタリングを すべき。走行サーベイは道路を走りながら測定するが、道路は森林や草があるところ よりは線量が低い。ストロンチウムやその他の核種の方が健康被害は深刻。 ヨウ素とセシウムのみでは、健康被害に対する危惧を反映していないのではないか。
 
 
・ICRPのレポートには、年間1〜20ミリシーベルトのうち低い方向にとはっきり書いてある。 20ミリシーベルト以下であれば、大人でも乳幼児でも同じで構わないということでいいのか。 その見解や基準を政府に示してほしい。皆さん方は見解を述べるにとどまっているが もっと付加価値を持った仕事を期待したい。 もう半年も経つのに、いつまでも事故発生当時と同じ見解を繰り返すだけでいいのか。 原子力安全委員会の5人も委員もその対応でいいのか。

・避難区域等の見直しに関する考え方をまとめたかというバックデータ、 つまりICRPのどのパブリケーションや指針を使っているか等の情報提出をお願いしたい。
(→同日中に資料提供があり、事務局を通じて全議員宛てに配布しました。 本資料も、以下に掲出されています)
http://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110826001/20110826001.html
(別添)今後の避難解除、復興に向けた放射線防護に関する基本的な考え方について

【座長として】
文科省も原子力安全委員会も、被災者が何を望んでいるのかを考えて仕事をして 欲しい。確かに各種モニタリングのデータは、各省がそれぞれ公表しているが、 この表をみて被災者が逃げた方がいいのか、どこまで除染しないといけないのか 判断できる人は、専門家でもない限りほとんどいない。
内閣府が、被災者の視線に立ったわかりやすい対応をしなければ、マップを作った ことにも対策をしたことにもならない。

  


2011/8/11 第32回原発事故影響対策PT

〇規制行政のあり方について
 説明:細野豪志 原発事故収束及び再発防止担当大臣

 前回の第31回総会に引き続き、
 「原子力安全規制に関する組織の見直しの進め方について」

骨格
1.原子力安全・保安院の分離
2.新組織への原子力安全委員会の統合
3.原子炉に係る安全規制の統合
4.事故発生時の対応体制の強化、核セキュリティ
5.環境モニタリングの司令塔機能の体制整備

【前回議論からの変更点】
・新組織は、環境省にその外局として原子力安全庁(仮称)を設置する。
・政府事故調査委員会の結果については、両院に提出する。

【質疑応答・意見】
・マニフェストにも安全規制は3条委員会と明記してある。環境省の外局と いうのは官僚的な骨抜きではないか?環境省におくか、内閣府におくかが 本質ではなく、客観的・中立的・科学的なダブルチェックができなかったことが 原因。
⇒3条委員会も8条委員会も検討したが、委員による合議制で危機管理は できないという結論に達した。委員長が指揮権と人事権を行使できない 組織形態ではリスクに即応できない。

・3条委員会ではなく今の提案のかたちが良い。海外の様々な危機管理の 仕組みは、行政官庁になっていて、権限と命令系統を明らかにしている。

・現状の体制の中で危機管理ができたかどうか検証しなければならない。 原子力安全委員会の委員は、国会同意人事だが、強い身分保障が されており、刑事事件や病気以外の理由で辞める必要がない。 政治の側が期限をきって強いミッションと明確な指示を与え、ミッションを 遂行できなければ辞める仕組みへ。組織を作れば問題が解決するのでは なく、組織に魂を込めれば機能する。

【座長として発言】
・細野大臣から十分説明があった。私などは事故調の結果が出ていない中で 規制行政について議論するのは拙速だと思っていた。 しかし、これまで規制と推進官庁が一緒にあるのはおかしい、政治の不作為で あると指摘を受けてきたことに対して、9月のIAEAの国際会議で日本政府として の方針を示すことが求められている。 ほかにも、CSC等原子力損害賠償の国際条約に不参加であることなど 問題は山積しており、1つずつ改めていくしかないのではないか。 細野さんが苦労してまとめたこの提案は、現状では妥当ではないか。 今後の進め方は、政府が当PTとも密接に関与しながら実質議論を進めて いくこととし、この方針を基軸としながら私と中塚事務局長に一任をお願いしたい。
⇒一任で了承。
 なお、本提案は8/12に閣議決定されました。
 詳細な資料はこちらから 
 http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/kakugi_110815.html

〇「福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質による汚染への対処に関する特別措置法案」について
 説明:田島一成 PT幹事/環境部会長

【前回議論からの変更点等】
・法案のなかでPENDINGが2箇所あり、1つは国の責務について加筆修正中。 もう1つは除染等の措置の部分で、先日のPT総会での地元自治体からの ヒアリングや意見を経て、高濃度と低濃度の地域を分けて規定することになった。

・財政措置については、いまだ結論を得られていないが、総務省は自治体の 要望を受けて国が全額負担することを求めており、財務省は財政状況的に 大変厳しいので東電への求償を求めている。
・明日朝、もう一度与野党協議を経て、お盆明けの25日に環境委員長提案で 法案を提出し、同日の衆院本会議で採決させたい。

【PTとして一任了承】
・本来はもっと早い段階で政府が連休前にも法案提出しているべき問題であり、 環境省を説得し、超党派による議員立法でここまでこぎつけた田島議員の 尽力と努力に敬意を表して、満場拍手で承認。

※その後の経過としては、8/26の参院本会議にて共産党を除く各党の賛成多数で成立

  


2011/8/10 内閣委員会で女川原発視察

私が委員長を務める衆議院内閣委員会で、女川原発を視察した。

  
女川原発は津波への備えとして堤防が他原発に比べて高く設定されており、 1メートル差で津波被害を免れることができた。そのいきさつを聞いてみると、 設計段階で当時の東北電力の取締役が津波に対する防御を強く主張し、 堤防をかさ上げさせたという話であった。もともと海水により冷却をする原発の システム設計においては、原発はなるべく海抜から低いところにある方が有利 にも関わらず、敢えて堤防をかさ上げしたその方の見識に敬意を表する。

  
検視は警察のもっとも大切な仕事のひとつである。宮城県警では、歯型により 亡くなった被災者の身元特定を行っているシステムを見せていただいたが、警 察官はもとより歯型を取るボランティアの歯医者さんに感謝の念をささげたい。

女川原発への道中、牡鹿半島の集落が数多く流されている現場は、極めて悲惨であった。

一面の津波被害のなか、津波を免れた女川原発では、発災後すぐに避難所として 被災者を受け入れた。
備蓄食糧は原発で働く人たちの2日分しかなかったことを顧みずに、 被災者のケアにあたった現場の人々の労苦と英断に衷心からの敬意を表したい。

  


2011/8/5 第31回原発事故影響対策PT総会

〇規制行政のあり方について
説明:細野豪志 原発事故収束及び再発防止担当大臣

・原発事故の収束に向けての議論の中で、安全規制のあり方については ずっと意識してきたところであり、できるだけ早くたたき台だけは出したいと この1カ月は作成作業にあたってきた。
皆さんのご意見も頂いた上で政府の正式決定にこぎつけたい。

【原子力安全規制に関する組織の見直しの進め方】
*試案の骨子
・原子力安全・保安院の経済産業省からの分離
・新組織への原子力安全委員会の統合(環境省か内閣府におく2案)
・原子炉等に係る安全規制の統合〜試験研究用原子炉/船舶用原子炉
・事故発生時の対応体制の強化、核セキュリティ
・環境モニタリングの司令塔機能の体制整備
・来年4月に新組織設置することを目途とし、早急に準備室の立ち上げ
【質疑・意見】
・新組織の形態として、強い第三者性と客観性を確保するためには省の外局で ある「庁」ではなく、公正取引委員会等の3条委員会形式の方が良いのでは ないか。

・ある時はインフルエンザ対策、ある時は口蹄疫のように危機管理の恒久組織に して、コントロールタワーと実働部隊は別にすべき。そして、まずはこの原子力 安全の分野で、5〜10年後に専門家が枯渇しないように同時並行で人材を 育てる必要がある。

・本当なら、政権交代したときに橋本行革の負の遺産を総括し、統治機構のあり方を 再構築するための議論が必要だった。原子力安全庁を単に内閣府や環境省の 外局にぶら下げるかではなく、省庁再編を含め見直しを。

〇時間の都合で、資料配布のみ
:東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の 範囲の判定等に関する中間指針
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/houkoku/1309452.htm

2011/8/3 第30回原発事故影響対策PT&「第一次報告」発表会見

〇座長挨拶
 ・今日、原子力損害賠償支援機構法が参院で通って成立し、ようやく原子力被害者への 本格的な賠償が行われることになった。 当PTも発足から3か月間、熱心な議論を積み重ねてきたが本日の30回総会を記念して、 議論の経過をふり返り、今後の課題を整理してまとめる意味で、中間報告を出したい。

  〇中塚事務局長より
 ・昨日の拡大政調役員会で了承されたので、本日PT総会に諮りたいとし、 第一次報告を読み上げながら説明を行った。

〇質疑・議論の概要
 ・国による土地の「収容」という表現について、様々な意見や異論もあった。 しかしこの問題に関して国がきちんとした方針を示せないことで対応が進んで いないことも事実であり、内閣ができないのであれば与党が覚悟を持ってここまで 踏み込んだのは勇気のあること。被災者はむしろ本当のことをはっきりして欲しいという 時期に来ている。
・自主避難者や我慢して避難できずにいる人たちもいる。安心させるようなシステムや 何らかの支援を講じて欲しい。
・子どもや女性、妊産婦に配慮したあたたかい表現をお願いしたい。
・30回に亘るこの間の議事録は貴重な資料になる、危機管理上は、事前にどの程度 準備ができていたか、どの段階でどんな議論をしていたかというプリパレーションが すべて。今後もこのPTの中でみなさんの良い知恵をお借りしていきたい。

〇中塚事務局長より
ご意見を踏まえて、表現ぶりや補足など、若干直せるところは修正する。 今後の議論を踏まえて、早期に2次報告、3次報告と出していくので 今回この第1次報告への了承をお願いしたいと説明し、承認された。

⇒報告書本体はこちらから(PDF)

〇総会終了後、引き続き記者会見を行いました。
1)田島環境部会長より、放射性がれき処理の議員立法骨格について
2)中塚事務局長より、「第1次報告」の説明
3)質疑応答

最後に、司会を務めた徳永エリ参議院議員よりメディアの皆さんに お願いを致しました。 当PTでは、公式HPを立ち上げて議論内容や配布資料についても 公開できるものはすべてPDFにして公開しています。 ぜひ国会議員がどんな活動をしているかの情報源にして頂きたいし、 このHPのことも報道で取り上げて欲しいと熱を込めて語りました。

公式HPはこちらから
http://www.dpj-genpatsu-pt.com/


2011/8/3 第29回原発事故影響対策PT・環境部会合同会議

放射能を帯びたガレキ処理が残された最大の課題のひとつとなっており、 未だ法体系が整備されていない。 環境部会長であり、当PTの幹事でもある田島一成議員が中心となって、 議員立法による特措法の準備を迅速に進めているところであり、 本日はその法案骨子説明のため環境部会との合同開催。

〇災害廃棄物の処理に関する特措法に関する与野党協議の状況について
 説明:後藤 斎 復興特別委員会理事

 協議中事項として、主体と補助率の問題が中心であり、その他の点について できるだけ趣旨を尊重しながら附帯決議で進めていく方向。 修正協議の細かな報告は、荒井PT座長、田島環境部会座長への一任としたい と説明があり、了承された。

〇福島第一原発事故による放出された放射性物質による汚染の対処に関する  特別措置法(仮)について
 説明:田島 一成 原発事故影響対策PT幹事、環境部会長

 ・概要は先日のPTでも説明したので、今回は骨子案を初めてご提案し、 出席議員の皆さんからご意見・ご要望を頂く機会としたい。 また本日は地域住民の命を預かる首長のみなさんにもお越し頂いているので、 生の声を聞かせていただき立法過程にしっかりと反映させていきたい。

  法案概要はこちらから(PDF

 【座長より発言】
 ・責任主体や財源措置、法の立てつけに関する様々なご意見、要望を頂いた。  意見はあるだろうが、各省折衝でやっていたらとても調整が間に合わないので 田島議員にご尽力をお願いして議員立法で進めたい。 非常に困難な問題でありどの省庁もしり込みする中で、環境省が引き受けて くれるところまで田島さんが本当に骨を折って引っ張ってきてくれた。 体系は、原賠法の中で考えていくしかない。また損害賠償支援スキームの中で 国も支援することができる。細部については一任いただけると有難いと発言し、 野党交渉も含めて、田島・荒井両座長への一任が了承されました。

  〇放射性廃棄物に係る対策について、福島県及び県内市町村よりヒアリング
 ・内堀雅雄 福島県副知事
 ・原 正夫 郡山市長
 ・佐藤正博 西郷村長

当PTの公式HP上に、稲富修二議員の文責による詳細なレポートが掲出されて いますので、そちらをご覧下さい。
http://www.dpj-genpatsu-pt.com/pt29.html

【議論の中から】
・危機管理の専門家である首藤信彦議員より質問と指摘があった。
もし原子力事故があった場合に、肝心なことは事前にどれだけの準備が されていたかという"プリペアードネス"である。 避難場所、経路、ヨウ素剤の配布などなど、事前の避難計画やマニュアルの有無 またマニュアルに沿った避難訓練はなされていたのかどうか。 福島第一原発鎮静化の方向は確実に進んでいるが、まだ災害が終わった訳では ない。(大規模余震などの)災害が起こった時にどう対応するかについて、 現場の皆さんがどう対応すると考えておられるか、今後に活かしていきたい。

・内堀副知事より、防災訓練は年に1〜2度、電源喪失と若干の放射性物質漏れを 想定し、8〜10キロ圏の住民と自治体関係者で行っているが、今回の事故ははるかに その想定を超えている。EPZのエリア設定の失敗を深刻に受け止めている。 オフサイトセンターには、毎時500マイクロシーベルトの放射線で、5日しかいられ なかった。反省と総括を次に活かしていくことが大切だと考えていると率直なご発言が ありました。

・最後に座長として、本日お越しいただいた御礼ならびに御苦労・御心痛をお察し しますと発言し、初めて遭遇する大災害で国の対応が遅れていることに私からも お詫びを申し上げました。 この議員立法についても、皆さんが御心配される費用や最終処理などの細部に ついてはこれからですが、現場のみなさんのご希望が叶えられるよう与党として 最大限頑張っていきたいので、細部の立案や運用の際のご協力をお願いして 締めの挨拶と致しました。


2011/8/2 第28回原発事故影響対策PT

「ホットスポットの形成について」ヒアリング
〇大原 利眞氏 国立環境研究所・地域環境研究センター長
・放射性物質の大気シュミレーションとホットスポット形成に関して

〇三上 正男氏 気象庁 気象研究所環境・応用気象研究部部長
・米国大気研究センターの気象モデルを用いた微量物質の拡散解析モデル

〇永井 晴康氏 日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究部門 環境動態研究グループリーダー
・福島第一原発事故へのWSPEEDI−Uの適用

※配布資料、説明内容等については、党PT公式HP上にて、 徳永エリ議員の文責による詳細なレポートが掲出されていますので ご参照願います。
http://www.dpj-genpatsu-pt.com/pt28.html

【議論内容】
・それぞれ国の補助金を受けた各研究機関において、大気中への放射性 物質拡散のシュミレーション研究が行われれていたにも関わらず、政府か らの情報提供依頼や研究成果の活用が十分だったとは言い難い。

・一定の拡散傾向が既に震災1週間後にはシュミレーションされていたにも 関わらず、なぜ対策に使われなかったのか。 改めて縦割り行政の弊害や、同趣旨の研究であっても学会発表をメインとし 互いに連携できない研究機関の在り方が問われる。

・世の中に対してもわかりやすい合同の報告書をまとめる考えはないかという 質問に対しては、3研究所からオールジャパン体制で最終的にまとめる努力を したいと示された。

・天気予報のように、気象庁に対して今後、放射能拡散予報を要望する意見 が出された。

【座長として】
汚染の拡散実態について政府の対策本部や文科省、内閣府も詳細には把握 しておらず、細野大臣の掲げるオールジャパン体制にはなっていないので PTとして緊急提言してほしいとの提案がなされた。

このPTが発足して3か月が経ち、私自身も同様に感じている。
膨大な議論を積み上げ、政府に対しても随分と物も申してきた方だが、 現場と最も近い与党議員の持つ情報や知恵を政府にもっと反映させるために、 細野大臣や被災者支援チームの松下副大臣に対して、関係会議に常時与党側から オブザーバー出席できる体制構築を申し入れ、了承を受けたことを報告した。


2011/7/25 第27回原発事故影響対策PT総会

○・原子力損害賠償支援機構法案(政府提出)
  ・平成23年原子力事故による被害に係る緊急措置法案(自・公・み・たちあがれ・改革)

【両案に係る、民自公修正協議報告について】
報告者:後藤 斎 議員

修正協議のポイントとして、「国の責任」の明記や、所管大臣を文部科学大臣に限定せずに 主務大臣とすること、また経理等の状況を踏まえた見直し条項を設ける等について説明が ありました。修正協議が大詰めにきている中での総会であったため、資料は議員本人のみに 配布マスコミには非公開で行われました。

後藤議員からの報告後、中塚事務局長より「法案提出が遅れ、修正時間が限られた中で 大変なご尽力を頂いている。(修正)提案に大幅な変更はない。今後の(大きな論点については) 臨時国会なりの議論を経て修正していくということで、本日のところはPT一任ということで宜しいでしょうか」 と提案し、了承されました。

○事実と虚構の境界 −統計(モニタリング調査)でウソをつくいろいろな手口を中心に− 

講師:谷岡 一郎氏 (大阪商業大学学長)

今後福島県民の健康調査を中心に各種疫学調査や、モニタリング調査が行われることになっていますが、 日本における統計調査の専門家は非常に少ないのが現状です。 一度、統計学、統計調査の基本について専門家よりお話を聞いておきたいという趣旨で、 本日の講演が実現しました。当PT事務局次長でもある谷岡郁子参議院議員のご実弟でもあります。

1)なぜ人によって言うことが異なるのか
2)「事実」の共通認識に何が必要か
  ・データ公開
  ・「ディベート」のルールつくり
  ・リサーチ・リテラシー
3)原発と疫学
  ・コントロール・グループ
  ・統計ソフトのワナ
  ・プラシーボ・イフェクト

チャート、新聞報道例、社会風刺の4コマ漫画など、具体例を多用しながらの解説でしたが、 疫学調査とは条件が変わればノイズが入るため、究極的にはリサーチ・リテラシー(統計調査 を読み解く力を養い、マスメディア情報の質を評価できるようになる力)の教育しかないという のが講演の要でした。

私からは、失敗の原因調査や被害を受けた人々の心理的調査の方法について質問し、 「(失敗原因など)過去のことについて聞くと必ず理由付けはできる。データを集める前に、 ちゃんとした社会科学者を集めて調査の方法論について検証をしておくこと。すなわち データの取り方など、この調査方法で良いかを事前に専門家に諮ることです」との回答。 明快かつ興味深いお話を伺いました。


2011/7/22 第26回原発事故影響対策PT総会

○福島第一原発事故により発生した放射性物質による汚染の対応と対策に
 関する特別措置法(仮称)について
 原発事故影響対策PT幹事  田島 一成 議員

【説明の要旨】

  • 発災から5ヵ月が経って、なおガレキ処理が進まない理由のひとつに、
      放射性物質により汚染された廃棄物を処理するための法体系が整備されて
      いないことがあげられる。現在の法律の体系ではこのような事態が発生することは
      想定されていなかった。
  • 健康や国民生活への影響が懸念されることから、早急な対応が必要。
  • 中長期的には、原子力行政に関する組織や施策の在り方の見直しも必要。
  • 2通りの方法が考えられる
      @放射性物質を適用除外としている現行の環境基本法をはじめとした環境
       法令を改正・整備(既存の原子力関連法に基づく規制や組織等の再整理が必要)
      A汚染の影響を低減する緊急措置を行う枠組みを策定する。
  • 優先・緊急的に対応するため、現在、議員立法による特別措置法を準備中。
      環境法令の改正・整備については二段構えで中長期的に検討予定。

  • 【座長としての発言】
  • 本来、行政府が各省と連携をとりながら財源の目処をつけて閣法で提案すべきものだが、
      とにかく今の政府にはスピード感がないと何度も指摘してきた。政府のアクションが遅いので
      議員立法でもいくぞ!ということで、田島さんには特命担当としてこの2週間不休の作業で
      ご苦労をお掛けしている。
  • この法案が議員立法で出されることを政府は恥じるべきだ。
      国交、厚労を中心に、各部門に相当関係してくる内容なので、党政調全体の中で
      サポートすべく体制を整えていきたい。
  • ○牛肉等の安全性確保と畜産農家等の被害救済に関する緊急提言について
        農水部会長 佐々木 隆博 議員

     先日のPTで、セシウム汚染牛に関する全頭検査・出荷停止分の全量買い上げ等について
     政府に早急な対策を求める緊急提言を行うことで合意が得られた。
     農水部会が中心となってまとめた素案について、政調承認のもとに民主党全体として
     政府に緊急提言することについて、佐々木議員より報告があり、当PTとしても一任了承した。

     →22日官邸に提出された緊急提言(PDF

    ○原子力損害賠償紛争審査会中間とりまとめの進捗状況について
     文科省 林久美子政務官
     および原子力損害賠償対策室

    【説明の要旨】

  • 7月末に発表予定の損害賠償指針の中間とりまとめ論点についてヒアリング。
  • 賠償の対象に特定避難勧奨地点及び一部の地方公共団体による自主避難要請を含める。
  • 政府等による出荷制限指示等に係る損害を含める。
      (農林水産物、加工品の出荷制限、作付制限、放牧及び牧草等の給与制限指導、
       食品衛生法に基づく販売禁止等に係る損害)
  • 政府の指導等に基づく放射性物質が検出された上下水処理等副次産物(高濃度スラッジ)
      の取り扱いを含める。
  • 風評被害の賠償範囲については検討中。


  • 【質疑・意見】
  • 個人の自主避難については、補償の範囲に含まれるか(現状では引き続き検討中)
  • 検討中リストの一覧を提示して欲しい。
  • 原発作業員の健康検査費用、被爆許容量を超えた場合の雇い止めなどによる被害は
      含まれるか。(検査費用には相当因果関係が認められる。雇い止めは検討中)
  • 事故が起こってから約款を作っているようなもの。政治的にはどこかで線引きが必要になる。
      これは中間まとめということだが、いつになったら支払いが始まるのか。
      →セシウム汚染牛など新たな問題が発生し、まだ事故そのものが引き続いている。
      その後新たな事態があった場合には柔軟に対応できるよう、中間指針で対応できなかった
      もので類型化できるものは引き続き検討していく。
      一次・二次指針が出た段階で、できるものは本来しはらわれてもおかしくない。
      実際の現場では、仮払いが一部行われているが、経産省を含め東電に対する早期の
      本払いを求めている。

     審議不十分のまま発表できないので、7/29に素案が決まらなければ、8月1週目に持ち越す
     という説明に対し、指針ができない限り支払いが行われないので一刻も早く審議を進めるよう
     PTとして強く要請。
     


  • 2011/7/21 恒例の「荒井さとし政経セミナー」開催

    東京で毎年恒例の「荒井さとし政経セミナー」を開催しました。
    平日の昼間にも関わらず、御席が足りなくなる程のご出席を賜りまして、 改めて関係各位に深く御礼申し上げます。
    本年は、北朝鮮の核や拉致問題の交渉にあたられた藪中三十二・前外務次官を 講師としてお招きし、『国際情勢と日本外交』というテーマで幅広くアジアを中心とする 世界情勢の分析をお聞かせ頂きました。
    続く荒井代議士とのショート対談は、今後の日本のエネルギー政策・資源外交について 世界の地殻変動にどう対応するかという切り口での議論となりました。
    軽食による懇親の部では、荒井の顧問弁護士でもある吉峯啓晴氏より祝辞をいただき、 実弟である荒井敏夫・照美ご夫妻より花束が贈られ、終始なごやかなムードで 盛会裏に終了しました。誠にありがとうございました。


    2011/7/20 第25回原発事故影響対策PT総会

    ○セシウム汚染牛について
    筒井信隆・農水副大臣および農水省の今井生産局長より セシウム汚染牛の発生原因と経緯、対策状況の報告と説明を 受けました。

    説明内容と配布資料については、当PT公式HP上にて 徳永エリ参議院議員の文責による詳細なレポートが掲出されておりますので そちらをご覧ください。
    http://www.dpj-genpatsu-pt.com/pt25.html#pt

    原発事故発生直後、農水省は「屋外に置いていた飼料は与えない」 「原発事故以前に刈り取った飼料を与える」という通達を県を通じて市町村に 出してはいたものの、各農家にまで徹底されているかという確認作業を怠っていました。

    出席議員からは、飼料を原因とするBSE問題や口蹄疫の対応でかなりの事例が あった筈なのに、農水省の危機管理体制はどうなっているのかという指摘がありました。

    宮城から高濃度に汚染された稲わらが流通したことが発端となっていますが、 高濃度のセシウムが福島第一原発より100〜120kmも離れた 宮城県まで飛散していたということになると、これまでのモニタリングの数値は実際は全然違うの ではないかという疑問が出現します。避難区域等の設定の前提にもかかわる大問題です。

    汚染値の基礎データについては、厚労省が発表しています。
    http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001ko25.html

    風評被害も拡大しており、A5クラスの最高級和牛のキロあたりの出荷金額が 3割も落ちているという深刻な事例報告とともに、安心・安全の徹底のため全頭検査と 全戸検査を求める意見が相次ぎました。

    通達を出したら結果をフォローするのが当然なのに何もしていなかったことが 明白になりました。牧草だけでなく出荷直前に稲わらを食べさせる習慣が一部の 畜産農家であることを考慮し、稲わらの汚染対策も講じてしかるべきでした。 責任は責任として、まずは具体的な対応策を早急に手当てし、 党としても農水省としても一刻も早く方針を示すべきです。


    2011/7/20 第9回民主党北海道選出国会議員会

    北海道の高橋知事以下、道庁幹部、北海道経済連合会、北海道商工会議所 の皆様方が上京され、早朝から議員会を開催しました。
    それぞれの団体より政府に対する提言、概算要求要望などについてヒアリングし、 その後重点政策について意見交換を行いました。

    議員会長として、私からは、エネルギー基地北海道として北東連携の強化や 被災3県へのご支援・協力に改めて感謝申し上げるとともに一層のご尽力を お願いしました。
    いよいよ来年度予算の概算要求時期でもあり、北海道議員会として 一丸となって取り組んで参ります。
    2011/7/19 第24回原発事故影響対策PT総会

    @福島第一原発・事故の収束に向けた取組について
    A原子力被災者への対応に関する当面の取組みについて

    7/17に、第一ステップが終了したとして、進捗状況と新たな工程表が 発表されたことを受け、原発担当の園田内閣府政務官ならびに政府関係者、 東電の担当部長より説明を聞き、議論しました。

    内容については当PTの公式HP上にて、徳永エリ参議院議員の文責による 詳細な報告が出ておりますので、是非そちらをご参照ください。
    http://www.dpj-genpatsu-pt.com/pt24.html

    出席議員からの様々な質疑、指摘を受けて、私からは下記のような締めの発言 を致しました。
    事故からもう4ヶ月が経ち、被災者の心理状況について政府は社会心理学者も 含めた聞き取り調査や実態調査をしなければならない。 政府が市町村長からヒアリングしてあがってくる意見と、被災している一般の市民の 間には恐らく大きな乖離があるのではないか。
    実態を直視した上で、政府が何をするか判断しなければならない。
    中塚事務局長からも指摘があったが、4ヶ月もたったのにどれだけ(冷却)水を入れて、 どれだけの量の水が漏れ出して、どこに穴や損傷があるのかといったことを、 1つずつ推計して全体像を把握していないのはなぜか。 4ヶ月もたって「放射線値が高すぎて近づけませんから、見れません」というレベルを 超えていかねばならない。
    2011/7/13 第23回原発事故影響対策PT総会

    【私より座長報告】
    ○役員構成の変更 
    ・山口壮議員の内閣府副大臣転出に伴い、後任事務局長を中塚一宏衆議に変更
    ・放射性廃棄物(がれき等)処理の法制化準備のため、党政調環境部会座長の 田島一成衆議をヘッドとするワーキングチームをPT内に構成する。
    田島議員は当PTの副座長を兼務する。

     以上はPT役員会、総会において了承。(役員構成PDF

    ○公式HP立ち上げの報告
    ・広報メディア担当の米長晴信・徳永エリ・稲富修二議員らを中心に、公式HPが発足。
     http://www.dpj-genpatsu-pt.com/index.html

    議員の文責による署名記事を随時更新しており、積極的な参加を協力をお願いしました。


    【議案:ストレステストを参考にした安全評価の導入等について】
    冒頭に松下忠洋副大臣より「3.11以降深刻な事態の収束に向かって 全力で取り組んで参った。7/17に第一ステップ終了という目標を達成して、 目処をつけたい。プラントの収束が第一であり、党の皆様の支援やサポートに 御礼申げたい」とご挨拶。

    ○原子力安全・保安院
    1.「我が国原子力発電所の安全性の確認について(ストレステストを参考にした 安全評価の導入等)」
       http://www.kantei.go.jp/saigai/pdf/20110711anzensei_kakunin.pdf
    2.「EUにおけるストレステストの概要」

    ○内閣府原子力安全委員会
    1.「福島第一原子力発電所における事故を踏まえた季節の発電用原子炉施設の 安全性に関する総合的評価の実施について」


    ≪意見・質疑等≫
    ・ヨーロッパのストレステストでは、何をチェックするかを明確にした上で、まずは事業者に よるチェックの後、ピアレビュー。7人ずつのチームメンバーの中にはEUを代表するコミッショナーや、 ヨーロッパ安全協議会のメンバーなど相互調整の連絡員などが含まれインターナショナルに 構成される。客観的、透明かつ国際的にも平準化された手法。
    また「地震・津波などの自然災害に限らない」とはっきりと書いてあり、 サーバーアタックやテロ攻撃、大規模火災、飛行機事故、停電、冷却機能の喪失、 そしてヒューマンファクターに起因して安全文化の実行や作業員の防護といった観点も含まれる。 日本がストレステストをやるなら、地震津波に限るのではなく国際的かつ透明性あるものに しなければならないが、何故似て非なるものに変わったのか。

    ・テストの具体的な内容・手続きについて明確な回答は得られず。
    では、いつまでに検討を終えるのかという質問にも期日は示されなかった。

    ・内閣府原子力安全委員会が、「原子力委員会及び原子力安全委員会設置法第25条」に 基づき、保安院に対してストレステストの総合的な評価方法及び実施計画を作成して、報告する ことを求めるという国内手続きに疑問を呈する指摘があがった。
    なぜ内閣総理大臣からの諮問という法的手続きを取らずに、細野大臣のいかなる権限に基づく 要請であるのか。法的な手続きに基づかない「安全確認」は責任が明確でない。 日本は法治国家であり、選挙で選ばれた立法府が再稼動のルールに関わらないという手法は 民主主義としても問題がある。

    ○最後に座長として以下の趣旨で発言。
    大事ないくつかの質問や問題提起がなされたが、政府側は十分に答えられていない。
    ストレステストという言葉自体も先週から急にはじまって、十分な理解や実証がされている とは言えない。統治機構がないがしろにされかねない重大な問題であり、 法的根拠を形づくる作業についても当PTとしても検証を続けたい。

    今回の事故で、調査委員会が発足したのはわずか1ヶ月ほど前のこと。
    スリーマイル事故では2週間後に事故調が設置され、約3〜4ヶ月で事故のプロセスは 見えていた。米ケムニー委員会はおよそ100億の予算を投じて100メートルの本棚が いっぱいになるほどのヒアリング調査や資料を集め、仔細な報告書を作成した。
    福島原発では事故から3ヶ月もたってからようやく調査委員会が発足し、予算はたったの2億。 どうして近接した福島第二原発ではメルトダウンに至らずに凌げたのか、津波のエレベーション による差という説明は本当にそうなのか。地震による影響はなかったと断言できるのか。
    またマークT型の古い原子炉には設計ミスはなかったのか、適切な改修は施されていたか。 電源のあり方に問題があったのではないか。

    事故の究明とプロセスの解明を本気でやる用意のある事故調査委員会なのかどうか。 そして事故の根源的な問いに対する答えが何も明らかになっていないままに、 東電の経営財務状況を調査するデューデリ委員会に10億もの予算がついているが、 これは逆ではないか。

    衆議院で審議入りした賠償支援機構法案の修正が終わったら、 今後の原子力政策、エネルギー政策、がれき等の放射性廃棄物処理のための法改正など 当PTでの今後の検討に期待して、引き続き積極的に参加をしていただきたい。


    2011/7/13 第4回郵政等三党合意を実現する会

    急な呼びかけにも関わらず、今国会での郵政改革法案の審議入りを求めて 衆参200名以上の国会議員が参集。

    冒頭、原口一博総務委員長より「分社化ありきの民営化を一刻も早く変えるのが使命。実現あるのみ」と 開会の口火を切り、続いて各世話人より挨拶。

    まず私から、「復興のために審議を後回しにしているのは間違い。たった1枚の葉書で絆を確認できる。 ユニバーサルサービスの見直しが、地域社会ひいては日本復興につながる」と挨拶。 続く小沢鋭仁議員からは、「今回の震災の中で、地域のネットワークの大事さを国民もわかってくれた。 世論を盛り上げて、後は今国会で必ず法改正を実現し、国会としての責任を果たす」

    社民党を代表して重野幹事長より「悪弊を取り払い、真に国民のための郵政へ。限定的な会期の中で、 三度目の正直」と決意が語られ、 国民新党の亀井代表は、「政権奪取をした2年前を思い出してみて下さい。郵政の見直し、派遣法の見直し。 血が出るような努力をして民主党政権をつくって頂いたが、国民に対する公約がたな晒しになっている。 3ヶ月以上も法案が審議入りせずに吊るされたままになっている」と檄を飛ばしました。

    世話人のひとりである国民新党の下地幹事長より、法案審議を巡る情勢として 今週中に議運で吊るしがおりなければ、今国会で(十分な審議時間が確保できずに) 法案が通らないとの報告があり、その後下記のお三方より早期成立に向けての要請がありました。

    ○斎藤次郎 日本郵政株式会社社長
    ○臼杵 博 JP労組委員長
    ○柘植芳文 全国郵便局長会会長

    次いで、事務局の難波参議院議員が「郵政改革法案」の早期成立に向けての 要請文を読み上げ、満員の場内から割れんばかりの拍手により承認。

    駆けつけた自見郵政改革担当大臣からも「2年間にわたる3党合意であり、 不正常ともいえる立法府の状態。法案を審議の場にあげて頂きたい」と挨拶がありました。

    新党日本の田中康夫代表より、「ドイツでも郵政を見直し、アメリカでさえ郵政は国がやっている。 市場原理主義ではなく、人間の体温や心の機微が感じられる市場(いちば)へ。 郵政を超えて、地域、社会、日本という国家を考えていく」と締め括りの言葉があり、閉会。

    本日のお昼ごろ、総会で承認された決議文を世話人有志によって横路衆議院議長、 藤村幹事長代理、川端衆院議運委員長にそれぞれ面会して手交し、 郵政特別委員会における速やかな法案審議入りと、今国会中の成立に向け 政府・与党一体となった取り組み強化について要請したことを報告致します。
    2011/7/12 東芝府中事業所 スマートグリッド研究事業の視察

    東京ドーム14個分という広大な敷地に、研究施設が立ち並び、 約1万人が働く東芝府中事業所は、ひとつの街のようです。

    スマートコミュニティ事業統括部の首席技監で、この道ひと筋30年という 竹中章二さんと、府中事業所副所長の長崎寛美さんに案内していただき、 スマートグリッドの研究と取り組みについて視察しました。

    スマートグリッドといえば節電や省エネという発想に結びつきがちです。 送電ロスの多いアメリカでは、スマートグリッドへの転換で大きな省エネ効果が 得られるとして、ここ数年盛んな議論が行われています。

    しかし、日本の系統技術は世界一を誇る国です。 電力の周波数のブレをほぼ均一にコントロールできる高い制御技術があり ロスを低く抑える系統インフラが既に整っているため、省エネという観点だけでは スマートグリッドに入れ替えるモチベーションとしては不十分かつ採算も見合わないのだそうです。 イギリスやドイツでは莫大な税金を投入する買取制度を維持できずに、 制度が破綻に瀕しています。
    電気だけでなく、上下水道などの水、鉄道などの交通、ヘルスケアなどの 街づくり全体も社会インフラとして統合していこうというのがスマートコミュニティの考え方で、 再生可能エネルギーを大量導入し、分散電源の最適運用を考えるなかで コミュニティへの参画が可能になってくると竹中さんの熱のこもった説明に聞き入りました。

    その後研究棟に移動し、再生可能エネルギーの分散電源によりスマートグリッドで 電力需給をどう制御するかの模型や、事業所内の電力消費量を「見える化」したパネル、 家庭内にスマートメーターを配置してたとえば家電ごとの消費電力を計測できるユニット、 その制御モデル図などを見学。

    最後に、建屋屋上の全面に敷き詰めた太陽光パネルを視察し、 時間や日にちごとの発電量の推移グラフなどを見せて頂きました。 天候によりますがピーク時電力の30〜40%を太陽光パネルでまかなえるとの事。 しかし、太陽光による電力は波形がギザギザしており、蓄電池を入れても周波数が 平滑化にはならず太陽光100%の電力では、チラついて今の技術では使い物に ならないそうです。エネルギーミックスにおける再生可能エネルギーは、現状では30%が限度。

    ひととおり見せていただいた後に、若干の意見交換。 スマートメーターの技術開発も電力会社ごとに行っており、規格の標準化が望ましい。 なおかつ海外の新興国に対応できる機種とシステムをセットアップし、 国際標準化を目指せる分野です。

    例えば宮古島では、2010年より沖縄電力が全島まるごと世界最大の5万人規模の マイクログリッド実証実験を行っています。 ガスタービンやディーゼルなどの火力70メガ、太陽光4メガ、風力4メガ、蓄電池4メガで 最大供給電力約80メガワット。冬場の最大需要は36メガのため、再生可能エネルギー が10%超というデータが出ているそうです。

    今後、震災復興を進める中で、被災地の方々の希望に寄り添うかたちで 大規模な海岸線などに太陽光や風力などの再生可能エネルギー電源を多く配置したり、 スマートグリッドによる街づくりの発想を組み込む特区などを復興の選択肢として 実現させられないか、取り組んでいきたいと思います。
    2011/7/6 第22回原発事故影響対策PT総会

    1.第2次補正予算について各省よりヒアリング
      (内閣官房・内閣府、外務省、文科省、厚労省、農水省、経産省)

     大規模な補正予算ではありませんが、 放射能モニタリング強化、緊急除染事業、原子力被災者や子どもの 健康管理・調査基金など、党PTでも再三要請してきた原発関連対策費用が 計上されており、一定の評価はできると思います。 しかし一方で、福島原発の地下水への汚染遮蔽対策、上下水道処理場の 高濃度放射性汚泥の処理や、内部被曝等に対する健康教育対策など、 3次補正にしっかりと盛り込んでいくべき課題も積み残されています。

    2.放射能に汚染された廃棄物等に関する法規制について

     環境部会座長の田島一成衆議より、放射能に汚染されたがれき等の 廃棄物を処理するための法体系が不備である現状について説明がありました。

     一般廃棄物処理の所管は、環境省です。しかし、放射性物質は適用除外であり、 福島では原発サイト外の一般環境のがれき処理がすすまない原因となっております。

     政府が閣法による対応も検討しているとの事ですが、 放射性物質の処理に関する基準や方法、汚染された土壌や廃棄物処理等について 計画的な処理を確保する法体系の確立が急務であり、大幅な法改正や場合によっては 議員立法をも視野にいれた準備作業が必要になります。

     党PT内に、本件に関する専門のワーキングチーム設置を要望する意見がありましたので、 役員会等に諮った上で、環境部門を中心に関連部会とも連携しながら進めていきたいと考えています。

     ※田島議員のプレゼン資料の中から、
      参考として「放射性物質対策と環境規制との比較(主体別)」を添付します。(PDF
    2011/7/5 北海道選出国会議員会を開催

    @議員会長人事
    当議員会長を務めていた松木謙公議員の離党に伴い、 後任が決まるまでの間、暫定的にではありますが、私が道連代表と 議員会長を兼務することとなりました。
    本日の議員会で相原久美子事務局長より提起され、了承。

    7月は来年度予算の概算要求が始まる大切な時期です。
    道予算確保のため、引き続き議員会一丸で取り組みます。

    A北海道漁業協同組合長会議決議について
    東日本大震災水産被害対策に関する特別決議等について
    ・漁業生産基盤復旧復興対策
    ・原発事故の放射性物質災害に係る防止対策
     (安全強化策、風評被害対策)

    あわせて重点政策に関する説明・要請を受けた後、 佐々木隆博議員より二次補正における水産復興関係予算の説明があり、 また沿岸漂流物の現状をめぐる情報提供依頼など、活発に意見交換しました。
    2011/7/4 第21回原発事故影響対策PT

    「福島原発事故をめぐる影響等について」
    講師:イェンツ・ウヴェ・シュモッラック物理学博士

    イェンツ博士は、ドイツにおける原子力関連施設に対する独立的な安全審査機関 かつ政府への諮問機関である「テュフ ラインランド インタストリーサービス」の 放射能保護部門のシニアマネージャーとして、原子力発電所の設計、建設、運営、 廃炉の認可業務に携わっています。

    アジェンダ
    T.産業界への影響
      1.産業界の期待
      2.放射線学的制限値の考え方
      3.現在及び将来の放射性物質の状況
      4.産業とサプライチェーンへの影響


    U.原子力発電所の安全審査と廃炉
      1.独立的視点からの考察
      2.ドイツ及び欧州でのストレステスト
      3.原子炉の廃炉

    イェンツ博士のご説明内容については、当PT公式HP上に稲富修二議員の文責による 詳細なレポートが載っていますので、ぜひご覧下さい。
    http://www.dpj-genpatsu-pt.com/pt21.html

    その後の質疑・意見交換では、廃炉コストや廃炉のための積立金の有無(各3兆円とのこと)、 廃棄物管理のタイムスパン、使用済み核燃料を最終的にどのように安全管理していくか等、 知見を求める質問が相次ぎました。


    ドイツにおいても高放射性廃棄物の最終処理に関しては議論が分かれるところだそうです。 例えば何百万年単位で埋設して捨てるのが果たして正しいアプローチなのか、 貯蔵してきちんと人の手による管理が必要なのか。

    ドイツではストレステストの結果、30年を経過した8つの原子炉について迅速な停止、 残りの9つの原子炉の10年以内のフェーズアウトを政府が決定しました。 全停止までの10年の間に新たな知見が得られるかも知れないので、 議論に反映させていくというのが脱原発国ドイツの実情のようです。

    ドイツで先行したストレステストですが、 福島第一原発事故の経験に基いたストレステストが、先月6/1よりヨーロッパ全域の プラントで実施されています。 @地震・洪水などの自然災害、A人的ミスによる被害、Bテロリストや悪質な人間による 攻撃といった観点による調査項目との事。

    国家側の管理者による最終報告書は、来年4月末に提示される予定ですが、 このストレステストを日本国内で稼動中の原発について応用実施し、安全性向上に 資することができないか、党PTとして今後も情報収集と検討を続けることにしました。
    2011/7/4 『FACT FINDING』〜民主党原発事故影響対策PT公式HP発足

    原発事故影響対策プロジェクトチームの公式HPが立ち上がりました!
       ↓
    http://www.dpj-genpatsu-pt.com/index.html

    メディア担当の米長晴信参議員、徳永エリ参議員の声かけで、 党広報担当でもある高橋昭一衆議員らのチームの尽力により、 専用HPができあがりました。 党政調部門会議やプロジェクトチーム、ワーキングチームの中で、 独自HPを立ち上げた初めてのケースです。

    リアルタイムに「FACT」を積み重ねていくこと。 いま何が議論されているか、顔が見える発信に重点をおき、 議員の署名レポートが随時更新されています。
    2011/6/27 第20回原発事故影響対策PT総会

    1.福島原発における事故調査・検証委員会について
    小川新二事務局長より、調査・検証委員会の構成、メンバー、ならびに 6/7に開かれた第一回委員会概要や、6/17福島第一・第二原発視察に ついて説明と報告を受けました。

    出席議員からは、委員会の法的根拠や立ち入り調査、インタビューなどの強制調査権の 有無、予算、スタッフや研究者の公正性を審査しているかどうか。 また国民に対してどのように情報公開をしていくかなどの質問がなされました。

    本委員会は閣議決定を根拠とし、あくまで任意の協力に基くインタビューや 行政調査を行なうもので強制権はないそうです。 予算はまだ積算できておらず、スタッフについては経歴を確認して大丈夫だろうと判断したそう。 総理からの公開性が重要であるという指示に基き、相手方の協力をとりつけてながら 情報公開を重視していくとの回答です。

    それならば各ヒアリングは国会議員も傍聴可能かどうかという問いには、 公開・非公開も含めて次回委員会で検討するとの事。

    アメリカのスリーマイル島事故の際には、福島事故より格段に小さな事故レベルで あったにも関わらず、関係者のヒアリングや調査資料で半年間で100メートルの書棚が埋まるほど 精緻な調査をし、報告書が作成されました。 調査期間の独立性、専門性、公平性を担保するために、 国会に事故調査委員会を置くべきだという意見もあがっています。

    2.IAEA会議報告等について
    前回第19回の総会で、海江田大臣よりIAEA閣僚会議の報告がありましたが、 大臣が帰国後も数日間にわたって事務レベル会議・協議が続けられたため、 関係省庁よりその部分の報告をヒアリングしました。
    2011/6/24 第19回原発事故影響対策PT総会

    「福島原発事故の現状」について 元放射線医学研究所の木村真三博士よりヒアリング

    NHKで5月に放送されたETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図』は 福島原発事故直後から、木村博士らが大気中や周辺土壌の放射能の測定を始め 科学者たちのネットワークと連携しながら、放射能汚染地図を作成していく過程を 丹念に追ったドキュメンタリーです。
    放射線量を実測しながら自動車で幹線道路沿い2000キロを走行することで、 点在するホットスポットをより正確に把握することができる手法に、大反響が寄せられたそうです。

    当プロジェクトチーム座長の増子輝彦参議院議員が、 番組を見てすぐに木村博士にコンタクトを取りました。 木村氏がチェルノブイリへの長期調査から帰国したばかりの本日、ヒアリングが実現致しました。

    放射線感受性の高い子どもたちを守るには、 汚染された食べ物を口にすることによる内部被曝も考慮すべき点です。 汚染レベルの高い地域では、地産地消が中心となる学校給食についても 安全な食材確保を検討しなければなりません。

    モニタリングポストの設置強化策も徐々には進められているようですが、 よりメッシュを小さく区切ることによって一日も早く正確な汚染マップを作成し、 高濃度に汚染されたホットスポットでは立ち入り制限を含めた対策や土壌除染が急務です。
    2011/6/23 第18回原発事故影響対策PT総会

    1.海江田大臣よりIAEA閣僚会議報告
     6月20日ウィーンで開催されたIAEA閣僚会議に提出した政府報告書について、 SPEEDIの利用についての記載が国会での委員会質疑による指摘を経て 最終的に手直しされたという点について、変更箇所の説明を求める質問と意見があった。

    2.原子力事故収束に向けた取組と予算、被災者生活支援施策と予算について各省よりヒアリングを実施。
     (原子力被災者生活支援チーム、文科省、厚労省、農水省、環境省)

    3.原発関連二次補正予算について財務省主計局からヒアリング

    項目2ならび3を経て、当PTとして原発関連二次補正予算に対する意見を 集約して政府に要望することとし、限られた時間ではあったが 出席議員から多岐にわたる意見が出された。
    PT役員会で整理した上で、政調会を通じて政府に要望することを了承。

    --------------------------------------------------------------------
    本日の総会はテーマが盛りだくさんだったため、予算部分を過ぎてすでに議論が二時間を超過。
    最後に東京電力より6月17日に改訂されたロードマップの要点について、簡潔な説明を依頼し、 汚染水除去の進捗や技術の確実性について、ならびに滞留水・遮蔽壁工法など 主に水処理に集中した質問や意見が提起されました。
    2011/6/15 原発事故影響対策PT・文科・外務・経産・法務部門合同会議

    原子力損害賠償関連条約について、文科省・外務省の両省からヒアリング。
    ウィーン条約・パリ条約・CSCの各国際的な原発事故補償の枠組みについて、 条約内容・加盟国・メリット/デメリット、ならびに条約批准に関する過去の政府内議論状況を 聞き、検証議論しました。

    その上で私の座長試案を提案し、下記のように理由を説明しました。

    大規模な福島第一原発事故を起こし、かつ以前より参加を求められていたにも 関わらず国際条約への参加のための検討・準備を怠ってきたのが実態である。 参加そのものを決める訳ではないが、少なくとも政府としては原子力損害が国境を越えて 他国にも及ぶことがありうることを認識し、国際連携を強化する方向に舵を切っていく方向しかない。 シビアアクシデントを起こして弱い立場にある日本が、事故を克服して国際社会の中での信頼を 回復する道のりを歩むために、20日のIAEA関係閣僚会議に向けて、与党としての一定の考えを まとめたい。

    その後、デメリットや緊急性をめぐって賛否両論の議論が戦わされましたが、 最終的には国際社会に日本の立場・姿勢を示すために、 党として早急な参加検討をすすめるべきという政府に対する意見をとりまとめることで 了承を頂きました。

    なお、翌日17日の政調役員会においても、党の意見として了解を得て 政府に提出されたことを報告します。

    ※意見はこちらから(PDF
    2011/6/14 参議院内閣委員会で「NPO法案」の趣旨説明

    6/8衆院内閣委員会において、委員長提案によりNPO法案(特定非営利 活動促進法の一部改正案)が採決され、翌9日衆議院本会議で可決。

    本日の参議院内閣委員会において、提案者として趣旨説明を行いました。 参議院で趣旨説明をするのは非常に珍しいケースです。

    もともとNPO法は、阪神・淡路大震災におけるボランティアの活躍に端を発して 議員立法により成立した経緯があります。 今度の東日本大震災においても新たな公共の担い手として、 NPO団体による支援抜きには被災地の復興が進まないほど、 行政の隙間を埋めるきめ細やかな支援や活動がなされています。

    しかし約7割のNPO法人が厳しい財政問題に直面し、 また活動分野の制約もあるのが現実です。

    今回の法改正によって、NPO法人に対する新たな寄附税制の創設や、 認証制度の柔軟化、信頼性向上のための措置を拡充し、 活動範囲として新たに観光や農山漁村等の振興を図る分野も加わることになります。
    2011/6/13 原発事故影響対策PT・文科・農水・経産・財金部門合同会議

    関連部門による合同会議を開催し、「原子力損害賠償支援機構法案」を了承。

    当PTとしては、一刻も早い被災者支援を実現するため、5/13に関係閣僚会合で決定した 政府の補償スキームの法案準備作業と今国会へのすみやかな提出を数次にわたり 強く申し入れてきました。

    法制局内で調整が難航したということですが、政治が相対しているのは生身の現実です。 緊急支援を必要とする被災者が3ヶ月も待たされ続けた事態、 法案がなかなか提出されないことにより、東電破綻を懸念するマーケットに与えた影響は 甚大です。

    党内でもいろいろな意見を持つ方は当然おります。
    しかし、先般党として了解した本補償スキームがようやく法案化されるにあたって、 本日の合同部会において党としての了承がまとまり、翌14日に正式に閣議決定されました。 今後は国会審議の中で、細部にわたる議論を詰めていくことになります。

    ※法案の概要、条文はこちらで確認できます
    http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/taiou_honbu/index.html
    2011/6/9 第14回原発事故影響対策PT総会

    ○元米原子力規制委員会(NRC)スリーマイル島現場最高責任者  レイク・バレット氏より
     「スリーマイル島から福島第一原発事故への教訓」について

    <TMI事故から得られた教訓>
     ・早く直したいという感情的な反応は避けて、社会が直面する問題・リスクを組織立てて考える必要がある。

     ・被害のあった原子炉の処理としてはまず冷やす、フィルターを使って封じ込める。 そして大気中への汚染拡散をコントロールし、地下の汚染水を浄化・コントロールする必要がある。

     ・大きな問題は、プール内の使用済み核燃料の処理。一時的に保存するためのドライキャスクの設置や、輸送手段、長期的な保存策を講じなければならない。

     ・事業会社のリーダーも、政府リーダーも、文化的社会的、政治的、財政的な問題に直面する。TMIを所有していた原発会社には、大きな事故への対応能力がないことがすぐにわかった。そこで会社と原発産業、政府が一体となってチームで対処した。連邦政府による国有化も可能であったが、早く安定化・除染するためには、各種規制の変更などをワシントンで当局が決めるのは難しいと判断し、法改正せずに現場にいる規制当局の担当者が即断できる権限を与えた。

    <福島原発事故への個人的な考え方>
     ・国民的な健康において大惨事ではない。東京は安全と考えている。しかし、企業の大惨事であり施設自体はめちゃくちゃ。余震の危険性もあり、大量の汚染水や環境への影響もまだまだこれから出てくる。

     ・技術的な問題に加えて、政策的なチャレンジも多い。例えば、マネジメントレベルに関してアメリカでは、事故後に原子力会社を発電会社と事故処理会社に分離した。国営ではないが、1つのカンパニーの下に2つのユニットに分けた。なぜなら、賠償などの処置に当たる能力は、発電会社の能力とは別物だと考えたためである。

     ・賠償金の負担については、3分の1を会社が持っていた保険でまかない3分の1を発電会社が電気料金の値上げで払い、6分の1を全国の原発事業者、残る6分の1を政府とニュージャージー州政府、ペンシルベニア州政府で負担した。

      続く質疑では、賠償における政府と東電の役割とコスト負担をどう考えるべきかの質問に対し、アメリカには大事故に関してどういう手順で政府がコストを負担するかを定めたプライス・アンダーセン・アクト法があり、各電力会社が原子炉1期あたりについて高額保険料(3億7500万円)を納めており、賠償金が積み立てを超える場合は、議会が取り扱うことになっているとの回答があった。

      そのほかGE社のマークI原子炉には、使用済み核燃料処理において構造的な弱点があったのではないか、水冷方式以外に最初に取るべき技術があったと思うか、他にお持ちになっている情報の中で日本政府ができることはあるか等、短時間ながら   密度の濃い議論がなされました。
    2011/6/8 第13回原発事故影響対策PT総会

    1)菅谷 昭 松本市長の講演
     「福島第1原発事故における放射線被曝の問題と対応」
     −チェルノブイリ原発事故医療支援の経験から−

     ・チェルノブイリ原発の事故後、6〜7年かけて臨床医をされ、   子どもの甲状腺がん手術や術後に村々を往診したご経験を持つ医師であり、 現在は松本市長として行政に携わる立場。

     ・自然災害とは違って、健康・環境被害は長年続く。核災害の場合、問題は この後人が住めるか、住めないか、そして子どもに何が起こるのか、チェルノブイリでの 経験を語って頂きました。

     ・今後の問題は、呼吸や皮膚、食べ物による経口的な侵入経路による内部被曝。
      粒子(ヨウ素、セシウム、ストロンチウム、プルトニウム)が血液を介して細胞レベルに 蓄積し、ベータ線で細胞核に傷がつくとガン発生や突然変異。
    放射線量は少量でも、1個の細胞がガン化することで細胞分裂によるガン発症。

     ・チェルノブイリ事故による汚染被害は、25年後の今でも現在進行中。
      30キロ強制退避地区では未だに人が住めない。

     ・チェルノブイリでは軽度のセシウム汚染地域でも子どもの免疫低下、発育が悪い、貧血や 感染症、風邪が治らないという症状が出た。この10年、周産期への影響が非常に増えている。−早産による未熟児、低体重、異常分娩など。
      ベラルーシでは、出生前診断が進んでおり先天的な異常の場合、強制的に中絶する例も。

     ・福島原発事故は、チェルノブイリに匹敵する状況。
      今後、福島の皆さんが直面する現実が、事故25年後のチェルノブイリで進行している。
    セシウムの蓄積が生態系にどんな影響を及ぼすか。
    −セシウムは筋肉に取り込まれるため、心筋症や貧血が起こりうる。

     ・疫学データでは、子どもの甲状腺がん以外の優位性は認められていないというが、   国会議員の皆さんには、現地(チェルノブイリ)に行って、そこで実際に何が起こっているか をチェックして貰うとありがたい。

     ・放射線感受性は同一ではない。細胞分裂のさかんな胎児・子どもは影響を受けやすい。

     ・長期疫学調査、汚染マップの作成と経年変化を追う調査が必要。
      同時に、長期にわたる定期的健康診断の実施による健康追跡調査が求められる。

    ご自身も被曝し、市長選の最中にガンが発覚して手術したという経験を持つ菅谷市長の 言葉の重みを一同が受け止めたと感じています。
    続く質疑では、福島第一原発周辺自治体がヨウ素剤を事前に配布したか、実際に飲ま せたかの検証が必要であるという議論に基き、当PTとして福島選出議員による特命調 査チーム編成を決定。

    また、放射線被曝に関しては、ネガティブ論・疫学的な優位性が実証されていないので 大丈夫だとするポジティブ論の両方があって、日本政府としてどちらを選択すべきなのか、 農水省の食品放射線の測定方法や基準の妥当性についての質問など、 熱心な議論が交わされました。

    2)原発事故影響対策PT意見を了承
     (骨子)
     ・賠償スキームの早期法案化を重ねて政府に強く申し入れる
     ・IAEA閣僚会議に対する政府報告書につき、作成過程において与党に対する
    事前相談がなかったことが遺憾であり、今後与党との連携に一層配慮を願う。
     詳細はPDFにて。   
    2011/6/7 第12回原発事故影響対策PT総会

    1)福島第一原発中長期対策について、馬淵総理補佐官より説明
     ・原子力災害対策本部の中に発足した中長期対策チームの責任者として、 遮蔽と最終的な封じ込めを含めた対応がミッション。

     ・東電の改訂版ロードマップに、地下水の汚染拡大防止や遮蔽工法の検討、 余震・津波対策の拡充、各号機の補強工事の検討/実施を盛り込み、 東電のエンジニアリング部門に助言や工程の監視を行っている。

     ・現在の作業としては、構内地表面や建屋周りへの飛散防止剤散布・ テントシートによるカバーリング、複合的な遮水バウンダリ工法による地下水遮水、 使用済み燃料プールの補強による余震対策(コンクリート打設による支持構造物 設置)、無人LANや光ケーブルのよる重機無人施工の環境配備(リモートコントロールチーム) など。無人作業環境はほぼ完了。

       上記を受けて、政府と東電の役割やコスト負担について早急に明確にすべきという意見が 多数上がりました。地下水への汚染を遮蔽するための地中壁工事などは、 相当程度お金のかかる大規模な土木工事であり、原発安定化と封じ込めのための 初期対応の責任は一義的には東電にあるとしても、リスクや費用、時間との戦いの中で、 国としてはコストより安全性の確保を優先すべきであり、そのために政府として 予算要求し、予算措置をするよる求めるべきという議論がなされました。

    2)IAEA閣僚会議に提出する政府報告書について、細野総理補佐官より説明
     ・5/31までに判明した事実関係の記載であり、事故経過や放射性物質の環境への 放出状況、事故後のマネジメントや各国へのコミュニケーションに関する課題など、 細目にわたっています。
     (詳細はこちらから)  →http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2011/iaea_houkokusho.html

     ・PTでは、SPEEDIに関する記述やメルトダウン、安全文化についての見解など、 本報告書に対する様々な意見が付されましたが、本総会の約1時間後に 原子力災害対策本部に報告書が提出されるということで、 修正議論の余地はありませんでした。
    作成過程において事前に相談がなかったことは大変遺憾であり、 今後、与党との一層の連携にご配慮されたいというPT意見をとりまとめる流れとなりました。
    2011/6/7 北海道市長会と民主党北海道議員団との朝食会

    道内16市長が出席して、民主党北海道議員団との政策懇談会が 開催されました。
    来年度概算要求時期を目前にして、市長会の皆さんからは 重点事項と要請がありました。
    また北海道における漁業や観光などの震災被害について、 地域別に説明もありました。
    議員団からそれぞれの専門分野についてコメントするとともに、 私からは民主党北海道代表として、道予算確保に全力で取り組みので 様々なお知恵や協力をお願い申し上げた次第です。  
    2011/6/6 原発事故影響対策PT

    第11回総会を開催
    1)汚染水処理の仕組みについて、日立プラントテクノロジーより説明
     日本には放射能汚染水処理の経験・ノウハウを持つメーカーは ありませんが、セシウムは化学式でいうとアルカリ金属類のナトリウムや カリウムに近い物質です。
    そこで、産業排水や重金属を含む水処理の一般的な仕組みについて 確認する機会を持ちました。

     吸着剤により、凝縮するというのが基本構造です。
    放射性汚染水を処理する場合に問題となる点は、凝集の結果、 高濃度になって最後に残る放射性の汚泥をどう処理するか。
    同様の問題が、都内の上水道や汚水処理場で起こり始めています。

     最終処理場や使用済み核燃料をどのように処理・保管するかに通じる最大の問題です。

    2)農水省の除染対策についてヒアリング
     福島県の飯舘村や川俣村で汚染度が高い地域、低い地域ごとに 農地土壌除染技術を開発するための実証試験するそうで、 その内容について聞きました。
    チェルノブイリでは菜種による吸着に一定の効果があったとされています。 今回の実証試験では汚染度の低い土地でひまわりを使った吸着を試みるとのこと。注目しています。

    3)原子力損害賠償紛争審査会の第二次指針について
     観光被害や風評被害が二次指針における賠償の対象外となっていることから、別途支援策が必要です。

    4)原発事故の風評被害を受けている農業者・漁業者支援の議員立法案
     5/13に政府が閣僚懇談会で決定した「賠償スキーム」の法案化が 遅れていることから、当面の生活費にも苦慮する被災者への仮払いを 早急に進めるため議員立法による救済案があがっています。
    民主党の農水部会を中心に準備を進めてきたところですが、 本日の総会で内容について説明を受けました。
    議論の結果、当PTとしては政府賠償スキームの一刻も早い法案提出を 改めて要求するとともに、両輪として農水・文科・経産の各部門と連携しながら 議員立法の提出を整えていくことに賛成し、座長一任を得ました。
    2011/6/1 日本医師会の原中会長

    原中会長を表敬訪問致しました。
    限られた時間ではありましたが、互いの出自のことや 開業医と勤務医の状況、また診療報酬体系等について 意見交換する貴重な機会となりました。





    2011/5/30 原発事故影響対策PT総会

    ○「海外機関との連携による安全性向上の取り組み」について、 日本原子力技術協会の藤江孝夫理事長を講師にお招きして 知見を伺いました。

    原発1期世代のプラント専門家であり、オペレーション経験のある エンジニアの視点から、国際的な原発技術者の連携を模索されている方です。

    現実に起きてしまった福島原発事故に対してどうするか ・できるだけ正確な情報を早急に海外にも提供すること ・世界のあらゆる技術や人材を動員して、安定化させること ・汚染水処理をきちんとやって、国際的な信頼を回復すること シンプルですが、まさにその通りだと思います。
    ほか、下記案件についても議論を交わしました。
    ○「原発事故に関する国際協力体制」 首藤信彦議員よりプレゼン
    ○サミットにおける原発事故に関するヒアリング 外務省
    2011/5/26 誕生会

    応援団有志の皆さんに1日早い誕生日祝いの会をして頂きました。
    苦しい時も思いを共有してくださった方々に感謝の思いを馳せながら、明日65歳を迎えます。
    私の人生のなかで、これほどの激甚災害に直面するとは予想だにできませんでしたが、 一個の政治家として、また戦後復興を知る世代のひとりの日本人として、 必ず復興を成し遂げるため持てる全てを注ぎます。
    2011/5/23 党原発事故影響対策PT

    チェルノブイリやスリーマイル島の事故では、 事故後速やかに専門家による調査委員会が設置され、 精緻な調査が行われました。今回の福島のケースでは、事故発生から2ヶ月半を経過してなお、 事故調による検証作業がなされていないのは大問題です。

    当PTでは、今週からは「工程表」の妥当性の検証や、 汚染実態、モニタリング状況の把握をテーマに活発な議論を展開して いきたいと考えています。
    福島原発事故の問題点や課題を検証する上で、 チェルノブイリ事故の教訓を避けて通ることはできません。
    本日のPT総会には、欧州復興開発銀行国際チェルノブイリ・プロジェクト 技術顧問である武田充司氏をお招きし、谷岡郁子参議員による 「教科書としてのチェルノブイリ」をテーマとするプレゼンを聞きました。

    武田氏は、1986年より政府派遣によりチェルノブイリの修復作業に 尽力してきたプラント専門家です。
    東電の工程表をどう評価するかと質問に対しては、 「核暴走により炉心本体が吹っ飛んでバラバラになって空中に飛び散った チェルノブイリと、シャットダウン後冷却が思うようにいかなくて徐々に メルトダウンを起こした福島のケースは根本的に異なる。シャットダウンして随分たっているので崩壊熱も落ちており、 余程大きな余震などによる思いがけない展開がない限りは、 冷却して安定化させる工程や要する時間について、 各号機にあまり違いはない。しかし、汚染水等を押さえ込んでみるまでは、 事態収拾とはいえないので、今後の状況次第。現場調査により中の 状態を正確に把握することが重要になる」というコメントがありました。

    谷岡議員のプレゼンでは、OECDなど国際機関による調査レポート等 膨大な資料をもとに、
    ・事故処理
    ・放射性物質の拡散、移動、浸透
    ・農業、食物への影響
    ・森林、その他の生態系への影響
    ・人体・精神への影響と関連科学
    ・被災者、避難した人々の生活
    ・社会・経済への影響
    ・広報・社会心理としてのチェルノブイリ
    ・モニタリング、気象学、地理学関連問題
    ・マネジメントとロジスティクス
    といったチェルノブイリ事故の包括的な分析が示されました。

    事故後の経過や環境・社会への影響を網羅した秀逸なレポートであり、 福島で起こっていること、今後起こりうる事象と対策を議論する上で 貴重な機会となりました。
    2011/5/17 原発事故影響対策PT総会

    原子力被災者対応に関する当面の取り組みに関する政府のロードマップに ついて、原子力被災者生活支援チームの松下忠洋事務局長(経産副大臣) より概要説明を受けました。

    また、4/17に発表された東京電力の原発事故収束に向けた工程表の改訂版に ついて、細野総理補佐官より説明を受けました。

    この2つのロードマップは、本夕政府の会合で決定され、公表されています。
    http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/release.html

    いずれの工程表に対しても、様々な意見・質疑があがったため、 PT総会にて改めて細目な議論をすることとなりました。

    また、一刻も早い被害者救済を実現するために、 先日の閣僚懇で決定された「補償スキーム」について、 支援の枠組みに係る法案の準備作業を可及的速やかに行い、 今国会に提出することを強く申し入れるとする意見案をPT役員会にて了承。 本日政調会長を通じて、政府に提出したことをあわせて総会で報告しました。
    詳細はPDF
    2011/5/12 原発事故影響対策PTで補償スキーム了承

    政府の補償スキームについて数次にわたる鈴木副大臣の説明、 質疑そして意見など、議論を積み重ねてきましたが、 当日夕方からの関係閣僚懇でスキームを決定するというスケジュールに及び、 PTにて党内意見の集約を図りました。

    鈴木副大臣による再度の説明があり、海江田大臣も与党への理解・支援を要請するため 会場に足を運びましたが、国の責任明示や東電免責、また補償上限を求める発言が 続き、取りまとめは難航。

    1時間の休憩をはさんで再開した会の冒頭で、座長である私から「与党内の意見が 収束していないことを重く受けて、閣僚懇談会による決定が翌朝まで延ばされたという 連絡が玄葉大臣からあった」と報告致しました。

    山口事務局長からは、PTが発足してから政府の補償スキームを議論し、 一定の結論を出すための議論の時間が少なかったこともあり、 今夜は制限時間を区切らずにすべての意見を聞き、徹底的に議論することが 提案され、議論再開です。

    政府が提言機関の位置づけである政調・PTの姿勢を尊重したことで、 与党として政策決定プロセスにかかわる責任のもと、 異なる意見はあっても冷静で建設的な議論がなされ、 座長一任、すなわち政府の補償枠組みのスキームが了承されました。

    福島が地元の参議院議員である増子副座長が、 「みなさんそれぞれ政治家となった原点を思い出して、この国の平和と自由と 国土を守っていくこと。徹底的に議論して決断するのが与党としての 醍醐味であり、責任と覚悟だ」と熱く語った言葉が胸を打ちました。

    私からは、座長として思いを伝えました。 「政権交代後に廃止されていた政策調査会が復活した。 国会議員は政策が命だ。いま増子さんが言ったが、政調やPTは単なる 提言機関であってはならない。政府と党は一体となってこれからも沢山の 重たい案件について意思決定していく文化を求めていく。 今日、党の議論が収束するのを見守って、党として、政調のあり方の 進歩の道が作られたことを感謝します」

    一夜あけて、5/13朝の閣僚懇で、東電を補償主体とし政府が支援する補償スキームの 枠組みが決定されました。

    http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/taiou_honbu/index.html
    (PDF:東京電力福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償に欠かす政府の 支援の枠組みについて)
    2011/5/10 海事振興連盟勉強会にて講演

    船主協会などを中心とする海事振興連盟の勉強会で 『震災復興を契機とする大きな潮流』というテーマで1時間にわたり講演。

    私は農水省から在スリランカ大使館に一等書記官として 30代前半に約3年間赴任した経験を持ちます。
    直属の上司として薫陶を受けた千葉一夫大使は、 沖縄返還交渉の実務を担った伝説的な外交官でした。
    スリランカのトリンコマリー港はシーレーンの要衝であり、当時瀬島龍三氏も よく訪れていました。瀬島さんとはその後、村山政権時代に安全保障上の助言を 頂くなど長く交流がありました。 スリランカ赴任を機に、シーレーン戦略の重大さを肌感覚として叩き込まれたと 自己紹介を兼ねて語りました。

    中国の資源外交、それに伴うシーレーン確保攻勢は日本を凌駕して、 戦略的に進められています。
    講演中盤からは、日本の安全保障戦略全般に思うところについて、 また震災復興を契機とする大きな社会的・政治的な潮流について 所感をお話しました。
    2011/5/9 原発事故影響対策PTで緊急提言

    プロジェクトチーム総会を開催し、前段では京都大学原子炉実験所の 山名元教授より、「福島第一原発事故に関して」をテーマに講演を頂きました。

    ・安定化と長期的な対策
    ・放出放射能と汚染地域、環境修復について
    ・民間賠償と行政の関与
    ・当面の電力需給
    ・長期的なエネルギー戦略の検討
    ・原子力安全規制改革など

    福島原発事故とその影響について、また今後の検討課題について 全体像のイメージをつかむことができました。 「100メートル単位で汚染規模が全然違う。
    克明に汚染調査をすることで、広域除染ではなくホットスポットを 絞ることができれば環境修復コストを抑えることもできる。公的責任でもある。」 山名教授の言葉を重たく受けとめました。

    後段は、鈴木寛副大臣より政府の補償スキーム案の説明。 当プロジェクトチームとして、政府に早急な賠償スキーム取りまとめと決断を求める 緊急提言を採択。(詳細はPDF

    なおこの提言は、5/10に開かれた政調役員会で正式に了承され、 与党の見解として政府に伝えられました。
    2011/4/27 第3回郵政等三党合意を考える会

    本日、国会内で第3回目の集会を開催し、党派を超えて多くの議員が 集まりました。
    先日、郵政改革特別委員会の設置は決まりましたが、 未だ審議が始まっておりません。

    この度の大震災で、各地で多くの郵便局も被害を受けましたが、 自らも被災者でありながらユニバーサルサービス維持し、 地域復興のために懸命に頑張っておられます。 この日、原発周辺地域の南相馬市内で一時閉鎖を余儀なくされていた 全郵便局が開局したと報告があり、場内からは拍手が起こりました。

    災害復興の上で、インフラとしての郵政整備の重要性はますます高まっています。

    本日の勉強会では、日本郵政鰍フ斉藤次郎社長から郵政事業全体の課題について、 佐渡の高野宏一郎市長からは離島・限界集落で、郵便局の公共インフラとしての 重要性について切実なお話がありました。

    これ以上地域のネットワークを崩壊させ、健全性を失わせるわけには参りません。 速やかな審議入りを強く要請し、今国会での法案成立を実現させることを 確認し合いました。
    2011/4/25 党「原発事故影響対策PT」発足

    民主党内に原発に関する取りまとめを行うプロジェクトチームが発足し、 座長を引き受けました。
    本日開かれた総会では、細野総理補佐官より政府の原発事故対応についての概要説明、 松下副大臣より避難計画等の被災者支援についてヒアリング、 鈴木寛副大臣より原賠法に基く補償議論の方向性について説明を受けました。

    このプロジェクトチームの設置目的は、原発事故の補償、被災民へのケアや避難計画のあり方、 土壌や水源汚染への対策、そして今後の原発の安全強化策や海外への影響などなど、 原発事故にかかわる課題について、党として包括的にに議論する場を作るという趣旨です。

    原子力行政の所管は広くまたがっております。
    原子力損害賠償法は文科省、東電や原子力保安院を所管し、中長期の電力需給問題に 一義的な責任を持つのは経産省。また原子力安全委員会は内閣府にあり、 農産物の出荷制限や土壌・水源汚染対策や補償には農水省が深く関わり、 放射線に関する食品安全基準は厚労省といった具合です。

    政調会の関係各部門会議と連携協力を図りながら、課題の洗い出しや中長期的なエネルギー 政策の方向性についても議論し、スピード感をもって3か月程度で取りまとめたいと考えています。 。
    2011/4/17 Rengoアカデミー「現代政治論」で講演

    2009年政権交代を総括するというテーマで講演しました。
    出席者は、連合傘下の労働組合の次世代リーダーたち約20名です。

    私の基調講演の後、2回のゼミ討論とゼミ発表、 そして私と連合の山本副事務局長の対談という構成でした。 真剣な議論が続き、長丁場にも関わらずあっという間の4時間でした。

    民主党最大の支援組織である連合の皆さんからは、 ・これからは政局重視ではなく政策実現のための政治が求められる ・連合の軸は、「働くことを軸とする安心社会」を政策的に実現していくこと という二大提起がありました。

    私からは、雇用を軸にしながら「新しい公共」という概念を活用し、 組合員のためだけの労働組合であるだけなくどんどん社会に出て行くのが 新しい方向性だと提案致しました。

    つまり国に全部任せるのでもなく、すべて自己責任でもない「共生」の概念です。 ある社会的な課題について、実行するだけの能力も組織も持っている 労働組合が地域との信頼関係を醸成しながらもっと積極的に進出することが 政策実現のための政治への後押しになるのです。

    震災後、政治にしか解決できない本質的な問題がより一層クリアになりました。 戦後つくられ制度疲労を起こしている社会の根幹システムを総点検し、 再構築する作業が何よりも最優先課題です。
    2011/4/15 内閣委員会で「委員長質疑」

    委員長が、委員会で質問を行うというのは異例のことです。
    このたびの震災被害や原発事故の影響の大きさを鑑みて、 中立公正の委員長の立場から、委員会を代表して質問を行いました。
    国民の皆さんの目線にたって、関係閣僚に基本的な内容の説明を求めました。

    骨格は以下のとおりです。

    1)原発周辺地域の治安悪化にどのような対策をするか
    2)国民に対する説明報告や情報公開が不十分ではなかったか。今後どう考えるか。
    3)危機管理の指揮命令系統はシンプルであるべきではないか
    4)放射能被害の補償のあり方について
    5)既存原発の安全性を総点検し、安全強化策を講じるべき
    6)政府として事態収束時期を示すべき
    7)経済の混乱や、日本売りへの懸念にどう対応するか

    質疑の様子は、衆議院TVライブラリーにて動画で見ることできます。
    http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

    ※2011年4月15日(金)内閣委員会 13時26分〜(所要17分)
    2011/3/29 衆議院本会議で委員長報告

    衆議院本会議において、内閣委員長報告を行いました。
    「内閣設置法改正案」の委員会における審査経過と結果を報告し、 賛成多数により可決されました。

    本改正法が衆参ともに成立すれば、地方公共団体への一括交付金制度が 認められることとなります。一括交付金とは、地方自治体が自由な裁量をもって 自治体事務や事業実施に使うことのできる交付金です。

    本年度の一括交付金額は約5,000円億円です。
    本年については、その9割以上が各自治体が年度をまたいで既に採択・実施している 公共事業や道路建設などの継続事業費ですので、 年度内に可決されなければ地方への影響は甚大です。

    具体的には、建設中の道路や橋梁の修繕工事が途中でストップしたり、 下水道のメンテナンスが進まないことにより、突然の道路陥没やマンホールから 汚水があふれ出るような事態も起こりえるのです。

    国民生活への影響の大きさを鑑みて、公明党が法案賛成にまわりましたので、 衆議院は通過の運びとなりました。
    所管委員長として、年度内に両院で可決されるよう最善を尽くす所存です。
    2011/3/29 民主党北海道議員会を開催

    北海道における被災状況ならびに、被災地への支援状況について 道庁より説明を受け、今後より密に情報交換をするとともに、 連携して災害復興にあたるろうと確認し合いました。

    今後、北海道でも公営住宅などを活用して1万人規模での 被災者の受け入れを行っていきます。
    その際、地域コミュニティを壊すことなく、例えば教師も含めた学校単位での 集団で受け入れるよう配慮すべきという意見が多く出ました。
    また北海道からも1万人以上の自衛隊員がすでに現地支援に赴いて いますが、追加で5000人を送り出す見込みです。 ここでもやはり、人や支援物資を送り出すための輸送手段確保が 最大の懸案となっていますが、北海道は開発局との連携事業で 車両甲板のあるRORO船により燃料や重機などの緊急物資を 搬送しています。

    一日も早い復興のため、人心を尽くさねばなりません。
    2011/3/25 東大合気道部の後輩たち

    東大合気道倶楽部の学生諸君が訪れ、 会誌「赤門合気道」への協力依頼を受けました。

    国民新党の亀井静香議員らが創設した伝統ある部です。
    私は昭和40年の入学です。
    長い歳月を経て、若い学生諸君が武道に励む姿はキラキラと眩しい限りです。

    いまは国難の時。
    後輩たちには、文武両道で鍛えた健やかな心身をもって 力強くこの国を支えて欲しいと願います。
    2011/3/10 代議士会

    代議士会で、「ぬくもり助け合い本部」の設立総会について 広く参加をよびかける発言をしました。
    今週火曜日の常任幹事会で発足が承認され、 鳩山元総理を本部長に、私が本部長代行に就任致します。
    政府の「一人ひとりを包摂する特命チーム」と連携しながら、 原則として議員全員が参加する運動体として、視察やヒアリング活動を通じて 人生のあらゆる場面での貴会の平等を確保し、 安心して暮らし、働き、出産や子育てができる社会の構築を目指します。

    明日設立記念総会が開かれ、週明けの14日(月)には神戸の児童擁護施設を 視察する予定です。
    2011/3/9 内閣委員会・大臣質疑

    本日、私が委員長を務めている衆議院内閣委員会の 大臣所信に対する質疑が行われました。
    次回以降、予算関連法案の審議に入ることになります。

    2011/3/3 「農業力」の強化を考える議員連盟 設立準備会

    本日、私や近藤洋介議員の呼びかけで、日本の農業力を高めて成長産業として 育てようという議員連盟のキックオフ・ミーティングを開催しました。

    急な呼びかけにも関わらず、議員本人と代理出席を含めて40名以上の参加者が 集まり、また農業新聞などの専門誌記者も取材に来て頂きました。

    本日は農水省の六次産業化戦略室から全国で先進的な取り組みや成果を挙げている 代表事例についてヒアリングをするとともに、今後の議連の方向性について 意見交換をしました。

    農業生産額自体は8兆円ですが、流通や食品加工・外食などの周辺産業を加えると 80兆円規模のマーケットが存在しています。 高い技術力、食のブランド力を有しながら、農業生産者の高齢化(平均65歳以上)、 国際貿易環境の変化に対応できないなど課題も多く、十分に強みを発揮できていないのが 現実です。

    次回以降は、農産物直売所や輸出力強化、機能性食品、バイオマス等水田の利活用など、 取り組むべきカテゴリーの整理に移ります。 現場視察を中心とし、頑張っている地域産業がブレークスルーするための 政策的・行政的な障壁を見つけていこうという意見が多くあがっています。 成功事例・ノウハウの伝播や、他分野への応用と同時に 地域産業や企業の失敗事例も足を運び、共有リソース化していこうという 活発な議論が交わされました。 若手メンバー中心の事務局構成で、アクティブな議連活動を行っていくことになりそうです。
    2011/2/28 民主党北海道議員会と「木村としあきにエールを贈る東京集会」

    本日、急遽、北海道議員会を開催。
    この極めて厳しい状況に鑑みて、全員一致で統一地方選挙に臨む要請が 北海道の連合や地方議員団から寄せられております。

    北海道は、他府県に先駆けて木村としあきさんという素晴らしい知事候補も擁立し、 道議候補も前回を上回る54人の擁立作業を終えております。 他地域に比べて善戦しているという認識がありましたが、 最前線で党を支えている地方議員の思いも十二分に汲み、 北海道議員団が一致結束して統一地方選を勝ち抜くことを改めて確認しました。

    同日、「木村としあきにエールを贈る会 東京集会」が支援者の皆さんの主催で開かれ、 私も民主党北海道代表としてひと言ご挨拶を致しました。 木村さんは東京に駆けつけることができなかかったたため、 インターネット中継で「発信力ある北海道、動く北海道、そして安心安全な食を 発信したい。北海道は必ず元気にできる」と語りかけました

    木村さんのことは小樽市役所時代からよく知っています。 私が北海道知事室長の任にあたっていた頃、全道の市町村からこれはという若手職員を 集めて勉強会や研修会を行っていましたが、彼はひときわ輝きを放っていました。 現場に乗り込み、地域と一緒になって地方自治を変えていく情熱的な姿は、 「スーパー公務員」としてTVでも紹介されています。

    木村さんこそは、まさに平成の二宮尊徳です。 江戸末期に諸藩が疲弊したとき、二宮は呼ばれては各藩に赴き、 干拓や地域開発政策などそれぞれの地域に即したプロジェクトで成功を収めた人物です。

    民主党に大変厳しいなかでの北海道知事選挙です。 お集まりの皆さんに、この支援の輪を更に大きく広げて頂きたいと、お力添えをお願いしました。
    2011/2/24 航空政策フォーラムに出席

    超党派の国会議員が出席して、航空産業政策に関するラウンドテーブルが 開催されました。 元外務副報道官の谷口智彦氏より、「国際航空機市場との対応」という テーマで、航空機産業は世界的に寡占もしくは複占構造となっており、 総合採算による「抱き合わせ」のトップセールスを行っているという 現状について基調講演がありました。

    その後、主催者より航空システム振興に関する総合政策実現に向けた 提言が行われ、活発な議論が交わされました。 40年ぶりの国産機「MRJ」の生産再開を受けて惹起された様々な論点、 中国の台頭、そして民間ビジネスに国がどこまで関与すべきかという 問題提起もなされました。

    また米国のNextGenや欧州のSESAR両計画により、世界の航空管制通信 インフラシステムが新しい体制に移行しつつあり、今後20年間で世界の航空 輸送量は3倍に拡大し、アジア域は世界最大になることが見込まれるそう。

    私は、新成長戦略策定のなかで、新しい航空産業政策にも関わったが、 日本は航空システムのあらゆる分野で遅れをとっている。 日本がより存在感を発揮するためには、とりわけ中国やアジア全体を ソフトシステム分野でどう巻き込み、国際標準化していくかが重要ではないか。
    2011/2/22 ロシアアカデミー学長らの表敬訪問

    ロシアの予算財政アカデミー大学長のムスティフラフ・アファナーシエフ氏らが 議員会館事務所を訪れ、意見交換をしました。

    昨年3月、私が総理補佐官を務めていた折に、 官邸で日露関係の情勢交換をして以来、約1年ぶりの再会です。 昨年の尖閣事件を契機に、対ロ関係も緊張が高まっており、 北方領土問題を巡ってロシアの態度が硬化しているなかで、 遠方より訪ねてきてくれたことに歓迎と感謝の意を表しました。

    彼らの関心は、日本のマクロ経済分析と予算編成・デフレ克服策にあり、 成長を続けるロシア経済にとって今後の予算調整スキームについて 問う議論が中心となりました。

    日本はGDPの約2倍もの累積債務を抱えており、 これが今でも予算編成の障害となっている。 原因は、95年頃から経済が下降線をたどった際に、 政治が主導して膨大な財政支出を決めたことにある。 累積債務の責任は当然国にもあるが、莫大な個人貯蓄がほかに投資先を探すよりも 安易に自国債を購入した。 この経済の仕組みを許容した国民性にも遠因があるのではないかと指摘し、 貴国では、累積債務のレベルに関して同じ轍を踏まないようにと言及しました。

    同時に、現在の日本では予算も財政も「デフレ克服」に尽きる。 その近道はないので、地道に内需を拡大していくしかないと考え、 新成長戦略といういわばデフレ脱却のプログラムを作ったと説明しました。

    ロシアの予算情勢は、日本よりは借金の依存度は低いものの、 GDPの15%ぐらいの債務が発生しており、今後数年間の成長に比して最大30%まで あがると彼らは分析しています。 また、石油・天然ガス等の資源輸出が歳入に占める割合が48%を超えるそうで、 ここ最近は価格が安定しているため、以前ほど国際相場に影響はされなくなったものの、 やはり資源に依存した財政構造となっています。安定的な年金財源をいかに確保するかは 両国に共通の課題だと知りました。

    1時間以上にわたって、様々な議論を交わしました。 また日本のおいしい牛乳を味わっていただき、「脂肪分が高くて美味しい」と好評! 私の応接室に飾ってある宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」の詩の内容を紹介しました。 日本のトルストイのような詩人だと。

    最後に、「雨ニモ負ケズ」の額の前で記念撮影し、 マトリョーシカを頂きました。