国交委員会質疑(三菱自動車データ偽装・地震予知)

国交委員会一般質疑に立ち、三菱自動車の燃費データ偽装問題、地震予知体制確立に関する提言(気象庁改革の必要性)を中心に 石井国土交通大臣らと議論しました。

■詳細な議事録はこちらから(PDF

下記は、質問の要旨です。
1)三菱自動車の燃費データ偽装問題について

なぜ燃費データの偽装が可能だったか、監視体制に問題はなかったか、 ほかの車種・メーカーでの類似ケースはないのか、加えて、国交省が 今実施している独自走行試験というものは常に行っていないのかを 質しました。

政府答弁では、これまで自動車メーカーから提出された数値を信頼して 審査を行ってきたところであり、この点がデータの改ざんの背景にあったもの という認識が示され、同時に、国交省内にタスクフォースを設置し、 不正行為の防止・自動車メーカーの法令遵守の徹底を図る方策について、 検討を行っていると説明がありました。なお、国の独自走行試験の結果は、 6月中に公表予定との事です。

私からは、日本の産業の中核である自動車産業全体の信頼を揺るがすもの であり、影響は大きいと指摘。その上で、東洋ゴムの耐震偽装や旭化成の 基礎杭問題、軽井沢バス事故、最近の羽田空港の施工不良など、国交省全体の 産業に関わるコンプライアンスのあり方について、問題提起を致しました。

2)熊本地震被害と地震予知体制の確立について

2014年の改正土砂災害防止対策推進法では、都道府県ごとに警戒区域を指定する ことを定めた。今回の地震で人的被害を伴う土砂崩れは全部で何カ所あって、 そのうち人的被害がどれだけあって、それら崩壊箇所は指定地域に含まれていたのか どうかを問いました。

あわせて、建物の倒壊に関し、震度七クラスの地震が連続して起こった場合に、 国交省の定める現在の新耐震設計基準で十分に耐えられるのか、見解を求めました。

繰り返し発生する大地震への対応も含め、現在の耐震基準が十分かどうかという点 については、国土技術政策総合研究所及び国立研究開発法人建築研究所研究所の専門家 による現地調査を行っている段階。大学あるいは日本建築学会の専門家の現地調査による 知見も結集した上で予断を交えずにしっかりと検証すると答弁がありました。

3)周産期・小児医療の拠点病院である熊本市民病院の機能低下について

被災により、機能が約40%低下している実態について、厚労省より入院患者は 他地域の医療機関へ搬送した現状と、今後の対策について答弁がありましたが、 熊本は小児科医の連携・ネットワークが非常に充実した地域のため、二次被害を 最小限に食い止められたという専門医の見方があります。

熊本の事例・教訓を想定される首都圏直下型地震の際に応用できるような体制整備 を政府に要請しました。

4)地震予知に対する研究・知見の結集を提起

地震観測体制と地震発生後の国民への情報提供を主務とする現在の気象庁のあり方に 重ねて疑問を呈しました。想定される首都圏直下型や中南海トラフなどの激甚災害に 対して、人的被害を最大限に食い止める備えをするのが政治や政府の役割であるはず です。

「地震は予知できない」と断言する現在の地震学や気象庁のあり方を抜本改革する 必要性を痛感し、問題提起しています。

国土地理院による全国約1300地点の電子基準点の定点観測で、地殻変動から地震の 兆候を観測することはできないか、また京大防災研究所の西村教授によるGPSにより プレートの分断ヵ所とミリ単位による国土の地殻移動研究など、すべての技術や知恵を 総結集し、政府全体として関係各省・機関を交えながら強固な防災体制を構築しな ければならないと強く要望しました。

質疑の締め括りのコメントを以下に紹介致します。

〇荒井委員
「私は、気象庁に、激励の意味を込めて、もっと元気を出せ、失敗を恐れるな、 そんなふうに言いたいと思います」