奈良の高校生らと一緒に政治・主権者教育を議論

10/15に奈良女子大学附属中等学校にて、生徒自身の企画運営による「主権者教育プログラム」の一貫として、政治とは何か、政治家とはどんな仕事をしているのかをお話する機会をいただきました。

http://www.nara-wu.ac.jp/fuchuko/

同校は地域でも名だたる進学校であるだけでなく、生徒自身の起案により修学旅行先として沖縄米軍基地を訪問したり、日本で唯一地上戦が行われた戦禍の歴史を学んだり、また普段より様々なテーマのワークショップや現地体験を行なうなど、生徒の自主性とチャレンジを後押しする中高一貫の先進校です。

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今回は、二田貴広教諭からのお声がけで、私のライフワークの一つである医療的ケア児とその家族の支援体制構築、「永田町子ども未来会議」での超党派による取り組み内容を通じて、政治とは何か、政策とは何か、主権者として政治に関わるとはどういうことかを生徒たちが考えるきっかけ・題材としたいというご趣旨で、二つ返事で駆けつけました。

プログラムの企画運営の主体は5年生(高校2年生)ということでしたが、14歳の中学1年生から、卒業生である大学生までの約40人が参加。司会から、私の基調講演に続く少人数でのワークショップとプレゼンの仕切り、議論のテーマ設定まですべて学生が考え、行なっています。

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ワークショップでは、健常者と障害者が寄り添う社会をつくるにはどうすべきか、政治家に必要な政策をつくってもらうにはどう関われば良いかなど、鋭く、熱心な発議・議論に正直舌を巻きました。

□意見の一例です
・自分たちも主権を持っているひとりとして、法律をつくる人への発信が必要。
・政策づくりには上から一方的にではなく、もっと双方向性が大事。
・政治家のやっていることが自分に直結するという意識を若いうちから理解させる
・公約を守ると信じた上で投票している。行った事はしっかり守って欲しい。
・似たような政策が存在しているのを整理しなおしたり、現場の状況の把握をして欲しい。

続いて、5年生代表2名と6年生代表2名、毎日新聞の野原奈良支局長と私によるシンポジウムで議論を深め、一時半に始まったプログラムは夕方5時過ぎに閉会しました。

真剣かつ、ハイレベルな議論に刺激を受け、また学生ならではの枠にとらわれない自由な着想が新鮮で、そしてとても頼もしく感じました。

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最後に、私が若い皆さんにどうしても伝えたかったこと。

・70年前は女性に選挙権はなかった。
・選挙権は歴史の苦労の中で勝ち取ってきた、それだけだいじなもの。
・選挙とはなんなのか。政治家に何を託しているのか?
・それは皆さんの生命財産という一番大事なものを託している。
・法律をつくってしまえば、無茶苦茶なことができる。
・政治や選挙とは実はそれだけ恐ろしいもの。

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政治や、政策とは、誰か作ってもらうとか、誰かにやらせるのではなく、自分がやるというのがギリシャ市民政治以来の原理原則。選挙権とは義務なのではなく、権利なのだということをしっかりと考えて欲しい。

若い人たちと本気で向き合って、政治家冥利につきる有意義で楽しい半日でした。
当日の様子が、毎日新聞の奈良版にも大きく取り上げられていましたので、ぜひ併せてご覧ください。

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<資料>
奈良女子大学付属中等教育学校・講演資料