2017.4.19 国土交通委員会(水防法等改正について)

2017年4月19日に国交委員会にて水防法等の改正法案について質疑に立ち、石井国土交通大臣らと議論しました。

詳細な議事録はこちらから(平成29年04月19日国土交通第10号 荒井聰委員)。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

質疑の要旨は、以下の通りです。

1)データを水害対策に活用することについて

水害対策に活用可能なデータについて、どういったものがあるのか、国土地理院と気象庁に説明を求めました。

国土地理院では、精緻な地形データを保有していることが回答され、気象庁でも同様に精緻な雨量予測データを保有していることが説明されました。特に、気象庁では、流域雨量指数という河川の上流域で降った雨水が河川に沿って流れ下る量を数値化したデータを保有しており、これにより、洪水の危険度の高まりを把握できるようになってきているとのことでした。

国交省水管理・国土保全局にこれらのデータを十分に取り入れているかどうか、質しました。

国交省は、浸水想定区域図を作成する際に必要な河川の水位予測に雨量データを利用し、浸水想定区域の計算に地形データを利用している旨の答弁をされました。流域雨量指数については、利用ガイドラインを平成29年3月に取りまとめたところであるとのことでした。

もっと早く利用すべきだった点を指摘し、技術屋として新しい技術に敏感であるよう求めました。

 

2)ダムの弾力運用

農水省に、農業用ダムの治水のための運用について質しました。

農業用ダムは貯水のために造成されたものであり、治水のための容量、施設は有していないものの、ダムの下流の地域からは、農業用ダムであっても治水利用をできないかという声があることも認識していると説明されました。

流域の住民にとって、ダムを最大限活用してほしいと望むことは自然の成り行きであり、気象データが精緻に得られるようになった今、ダムの操作も精緻にできるはずと指摘しました。また、治水効果を高めるための工夫、法改正について、水管理・国土保全局が他省庁局を巻き込み、実行していくべきではないかと指摘しました。

元河川局長の竹村公太郎氏が提案されている、多目的ダムを水力発電に活用することを紹介し、意見を求めました。

国交省は、多目的ダムの賢く柔軟な運用により水力エネルギーの活用を促進していくことは重要と考えていると答弁されました。治水がおろそかにならないようにするため制限があるものの、個々のダムの状況を勘案しながら、ダムの弾力的運用を開始していると説明されました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

最後に、石井大臣に今後の新しい河川行政、治水行政についてご決意を伺いました。

気象や地形のデータや、また既設のダムなどを最大限活用することは重要と述べ、新たな技術開発を推進しながら、水害から国民の生命と財産を守るため、全力で取り組んでいくと述べました。