沖縄返還交渉を実現するため、外交官人生をかけてアメリカとのタフネゴシエートを繰り広げた、千葉一夫・元英国大使のストーリーが映画化されました。

東京では、6月30日よりミニシアターの「ポレポレ東中野」で公開されるそうです。原作本の作者であるNHKの宮川徹志ディレクターが、劇場版公開の知らせを持って挨拶にきてくれました。

かつて薫陶を受けた上司の偉業や足跡が日の目を見て、広く知られるようになったのは、本当に嬉しい限りです。順次、全国公開されるようですので、是非とも一人でも多くの方にご覧頂ければ幸いです。

千葉一夫さんは、私が30代半ばで駐スリランカ大使館に一等書記官として赴任したときにお仕えしたスリランカ大使で、仕事には非常に厳しい方でした。国益を背負って外交に携わる者に一切の私心があってはならないという矜持や、外交交渉の真髄を徹底的にたたき込まれた3年間でした。
この出会いがなければ、私が政治の道を志すこともなかったといえる、いわば恩師です。

昨年、NHKのBSで放映されたドラマが好評を博したため、未公開映像を加えて再編集した劇場版が公開される運びとなったそうです。原作本の「僕は沖縄を取り戻したい　異色の外交官・千葉一夫」も、私を含め、当時の関係者から丹念な取材やインタビュー・資料収集を行い、沖縄返還交渉経過を歴史的に検証できる、非常に読み応えのある本に仕上がっています。

岩波書店『僕は沖縄を取り戻したい』
https://www.iwanami.co.jp/book/b308206.html