気象ビジネスフォーラム

気象ビジネスフォーラム(気象ビジネス推進コンソーシアム主催)を見てきました。今年で4回目。2017年にコンソーシアムが発足して、現在の会員会社数は800社を超えるそうです。異常気象や激甚災害の急増によって、正確な気象データをビッグデータとして安全面や防災・減災分野に利活用するビジネスが活性化しています。

積算気温による熱中症対策アラートや、気象データ解析と予測システムによる突風・竜巻発生時の列車の運行規制管理事例など、いくつかの興味深い事例紹介を聞きました。

駆け足でしたが、併設されている会員企業の展示ブースをまわって、最先端の気象ビジネスについて担当者の説明を受けました。

ハザードマップと掛け合わせたリアルタイムの洪水シュミレーター、自治体と共同開発中の防災情報に基づく避難訓練プログラムの策定と実施経路のフィードバック、気象予報専門メディアや、目新しいところでは、過去の気象データと宿泊予約データから地域における観光ビジネスの実需を予測できる「観光予報プラットホーム」などなど。

なかでもこれは面白いと思ったのは、伊藤忠商事が扱っている宇宙クラウド解析の会社、spireの小型気象衛星です。私が金色の物体を持っている写真が、原寸サイズです。気象衛星の打ち上げには数百億円かかりますが、片手で持てるほどのこの小型・超軽量の衛星は1基数百万円ほどで耐用年数は2〜3年、エコフレンドリーな仕様設計で、大気圏で完全に分解する素材でできているとの事。

これまで取りにくかった太平洋上や南シナ海洋上の雲や水蒸気のデータ、地表から海面付近のデータ取得も容易にできると聞けば、相当面白い使い方ができるなと直感的に思います。

昨年、一昨年と頻発した激甚な台風水害の被害レベルは、1兆円規模です。
台風が発生しやすいエリアにおける正確な気象データから、より精緻で早期の予測を立てることができれば、リアルタイムかつ有効な減災対策が進められそうです。