第4回 格差解消と消費税を考える会

「格差解消と消費税を考える会」は4回目は、#NPO法人キッズドアの渡辺由美子 理事長をお招きしました。

国会会期中の急な呼びかけにも関わらず、多くの仲間の国会議員が駆けつけました。所属政党を超えて、子どもの貧困問題を何とかしなければならない!という思いは一緒です。

キッズドアを立ちあげて10年、学習支援などのこどもたちの現場支援に携わっている渡辺さんから、ポンポンと具体的で力強いメッセージが飛び出しました。

・シングルマザー世帯の平均収入は150万円
手取り10万円くらい。一体東京でどうやって家を借りて暮らしているのかという思い。

・母子世帯が大変な理由は、ジェンダーギャップ
子どもを持っている女性は正規の仕事にいけない社会構造。

・パートとなると平均年収で133万円
日本のシングルマザーの就労率は先進国1位だが、働いていない人はメンタルを壊している。世界一ワーキングプアな日本は、子どもたちにもしわ寄せが大きい。

・勉強支援は、子どもたちを自立させようと10年やっている。嬉しいことは、大学を卒業して、ボランティアとして戻ってきてくれる。高校を中退すると自立が難しく、生活保護の子は生活保護になっていく。

・塾にいけない以前に、住環境が大きい。お金がないから、母子家庭でも1Dとか2Kなので、勉強部屋も机もない。ご飯を食べるテーブルしかないため、家では膝の上で勉強。無料学習会があると、勉強できる場所があるからそれがいいという子もいる。

・日本の貧困は、見た目では非常にわかりにくい。スマホもっていて、服もちゃんとしてる。LINEがないと部活に入れないから、ご飯食べなくてもいいからスマホを買ってと。

・母子世帯の1/3が必要な食料品を買えなかった経験がある。子どもにとってみると、「毎日苦しい、大変」と思っている親と過ごしている大変さ

・普段、褒めてもらうことがないので、自己肯定感が低い。チャンスがあると学校の授業がわかるようになったと言い出す。聞いたことあるという手がかり感が学校にいくことを楽しくしている。頑張れば報われるということが、学習会に来る前と後で変わる。努力することが大切だとわかると頑張れる。

・耳塚先生の検証:経済的資本は重要だが、文化的資本(本、体験)と社会関係資本も重要。家に本が10冊以下しかない子が3割。社会関係資本とは、良い人的ネットワークにいかに触れさせられるか。大学生や社会人のボランティアをみて、「会社に行っている人ってこんな感じなんだ。自分も会社に行きたいな」と思える。

・少子化の原因
本当は3人欲しいけど2人しか産まない人が多い。お金がかかり過ぎるという理由がダントツの1位。

・大学生で奨学金借りている子が大多数で、毎月3万円の借金を返す。結婚して子どもを産むのはとても無理だと彼らは言っている。

・日本では高校が義務教育ではないので、いろんな手当てが中学で終わり。児童手当も中学で終わるのは、非常に不合理。母子世帯の手取り12万のうちの、頼りにしている1万円がなくなることは大きい。高校には98%が進学しているなかで、ご飯も食べて通学の交通費もかかる。こんな制度設計は先進国で日本だけで、貧困家庭の高校生がどんどん中退していく。
8050問題の根っこはここにある。

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子どもの貧困の連鎖を断ち切るには、セーフティネットを充実させていくことと、教育機会を保障することしかないと私は考えています。そのための手立てとして、格差解消にもつながる不公平な税制の是正と財源確保案について、引き続き、精力的に検証を続けていきます。